第11話 男のサークルに女の子が来ると途端に姫プが始まるのは普通
最近、僕の周りが賑やかになっている。その上、癖のあるヤツラしかいない。そのために、まとめ役というモンスターが必要だ。しかし、一番の先輩であるゴブリンはこういうのにはからっきしだし、元々火の元であるスライムは論外、天使は何と言うか……頭は意外にキレるがまとめる感じじゃなく、むしろ助長させてしまう。ハンターに至ってはどこか新しい物を疑ってかかる癖があり、それが一番の原因ではじめてあった僕を殺しかけていた。
そんな連中であるから、僕の飯をバクバク食べるし、アホみたいに近くで魔法を連発する。流れ弾で僕が死にかけるのもしばしば。彼等は僕のことをなんというか仲間として見ており、それを許容してしまい、なあなぁで済ましてしまう。しかし、だめなものはだめだし、それをビシッと教えてくれる仲間がほしい。そこで僕は、手元にあるあの化け物をカードと、あのアホ共をつれだし、召喚をしようとしていた。外に出てきた理由はバイト帰りで10時を切っているからというのが理由だ。その上、これ以上部屋を壊してもらっては僕は家族に串刺しにされてしまう。
「……もう辞めにしない?、寒いじゃん?……ボク寒いの苦手なんだ」
「そうだぜェ?、それに俺達がいれば敵なしだろォ?」
『†悔い改めて†』
悔い改めるのはテメェだ。
淫夢厨に疑心暗鬼、ネラーとニートが?。……ある意味豪華な布陣ではあるが。
「うるさいうるさい!!俺は常識人枠が欲しいんだ!!、決して淫夢語録を喋るスライムじゃない!!、ニートの天使じゃないんだよ!!」
『ファッ!?』
「……ニートじゃない!!」
「黙れミュータントニート!!」
「え、えぇ?」
困惑するニートを無視して僕は召喚をし始める。……あれ?、どうやったらこの化け物を召喚士なくても良い方向で新しいモンスター出すんだ?
「………あぁ、そうだったなァ。お前、召喚の始めたてだったもんなァ」
少しもたついていると、ハンターは気が付いたように助言をし始める。
「まぁ、そうだね」
「アァ、まずコイツだけじゃだめだ。合成の素材を先に焼いてからぶち込め、良いな?下手すればとんでもねぇバケモン生んじまうからな?、外見的な意味でな、貸してみろ」
ハンターが俺から優しく取ると、手慣れたように天使の羽を焼き始める。それも多くの。
「う、うわぁ!!ボクの羽が!!こんなに大量に!!、なんてことしてくれるんだよ!!もう一回抜かなくちゃいけ無くなるじゃないか!!」
「ゴ……ゴブ……」
「良いだろォ。直ぐに新しい羽毛が生えてくる。天使がそんな簡単にハゲるわけないだからよォ」
ニヤニヤと笑うハンターは、泣き叫ぶ天使を他所にそのままカードを放り投げる。
「これだけあればだいぶ強力なモンスターが出てくるだろうなァ。俺やあいつが居る限りある程度は強くねェと対応できねぇだろうな。天使辺りの後ろにいとけ」
黙って天使の後ろにいて、召喚されたモンスターを見ると、白衣をきた青髪のボブカットのダボダボスーツの女性が出てきた。うわ、ドストライク。
「フーン、召喚ね。……凄いね。ワタシを呼び出すなんてね?」
しかし、その女性はなんというかどこにでもいる普通の人であるはずなのに、どこか異質感ががあった。
全てにおいて強者の余裕というものが醸し出されており、厳しい戦いになると予想出来る。
「面白いね、君たちみたいな人間を待っていたんだよ?」
そう言ってゆっくりと目を閉じ、首を鳴らして、不敵な笑みを浮かべる。その目の奥はどこまでも暗く、全てにおいて見通される様な恐ろしさが僕等の中の共通認識であった。
「……けど、ちょ、ちょっと待って!!。あの、まだ戦え無いんだよね?」
「ん?」
途端に出てきたタンマの声とともに、覇気がなくなり、途端に弱そうに見えた。と言うか、白衣だから、おそらく研究者なんだろう。………あ、もしかして彼女……武器もたせたらダメな人?。そう思うと僕は咄嗟に走り出した。手には棍棒を持っている。最早野蛮人だと思われても仕方ないよね。
「え?、君召喚s……痛い痛い!!、やめてやめて!!」
そんな事を言われても僕は止めない。と言うかおそらくここで殺らないと本格的に手を付けられないような気がする。
「……マジか……えぇ」
ハンターは僕この姿にドン引きをしている。レディファーストなんてここにはないんだよ。
「……あのね……正々……堂々……するべきだよね………」
硬かった。ただ、まだ動けている状態ではあるので警戒しないといけない。
「……ちょっとまってね……フゥー……フゥー…………よし、そんなラブコールしてもワタシは靡かないよ?。あとね
準備万端なんだよね」
そう言うと、手から砂を僕の顔面に当てる。
「ァァァァァ!!」
深郷田、渾身の絶叫。この声が盛中に響きわたる。美人はしたり顔をしているだろう。
「さて、おそらくワタシのターンだね?……フンッ!」
「ウゴッ!!」
思いっきりの腹パンを食らう。ヤバい、息できない。目に見えなくてもそのまま突撃するか。
「ハハン!、遅い、遅いよ?」
「ガハッ!!、あ、あのタンマしてくれません?」
「ダメ!!」
「ですよnゴフッ!!」
少し停止したものの、間髪入れずに殴られる。そのまま殴られ続けて、天使の所に逃げ帰る。スライムすらジト目してる気がする。
「………女性に手出すなんて最低だよ?、しかもボロ負けしてるし……情けないよ……けど、、ップッッッ!!アッハッハ!!、ヤバい受ける!!」
「……それ以上言わないで」
「………お前、なんというか………うん……」
「ゴブゴブ………」
『これしちゃいけないことだなんて、はっきりわかんだね』
「ハハハ!!、ワタシ最強!!、アイムウィナー!!」
僕は尊厳を無視した土下座をして、助けてもらう。天使はニヤニヤと見ているだけ。ハンターもいやらしい。しかし、回復してもらったため、僕が戦う。
「ラウンド2開始だ!!」
「……フッ、何度やっても同じことじゃん?」
「そんなわけ無い!!、ぶっ飛ばしてやる!!」
そう意気込んだものの、ボロ負け。結局のところラウンド146回戦でなんとか勝てた。結局のところ耐久戦だった。
「ハアッハァッ、ず、ずるいよ!!。回復なんてさ………」
「いい勝負だったぜ!!また戦おうな!!」
「……二度とやるかボケ!」
光となってカードと白衣を残して消えた。時刻は2時30分。3時間の格闘をしていたのだ。
「……手こずりすぎ……」
「本当に醜い戦いだった。本当にお前、弱すぎる……」
「勝てば良いんだよ!!勝ったから僕の勝ち!!」
そう言いながら、僕はドヤ顔でカードを持つ。その姿はさっきの姿とは比べ物にならず、キリッとした姿が出ている。
「……カリスマ性はありそうだよね?」
「あり……はするだろうな……」
「………あるということにしようか」
僕等は何も言えない表情で帰路につく。最後に残ったのは、あの情けない変わり様であった。
白い羽が飛び立った。
ーーーーーーーー
「いやぁ、まさか仲間がこんなに頼もしいとは!!」
「え?、まじで、紅一点が言うと間違いないね?」
「ホント?、もう口説き上手なんだから!!」
1週間後、僕は眼の前の美人、……名前なんだっけ………あ、『エンペラー』だった思い出した。ヤバい痴呆になってしまうところだった。
「ほんとほんと、ワタシの部下なんてホント最悪!、あれを行ったらこういう、直ぐに行動に移さない!、挙句の果てに低予算で無茶なことを言うアホな上司!!もうバカばっかり!!、それに何をするにしても効率が悪いんだからありゃしない!!」
「ま、君にとってはそういうものだろうけど、それは全力でやってる人もいたと思うよ?」
「もう……そうだけど……うん……」
聞き分けが良いな、と思いながらジュースを渡す。
「ん、……美味し!、ナニコレ?」
「好きなん?」
「うん、まぁそうだね」
「また買うわ」
へへ、やったぜと言う彼女を見ながら僕は笑う。
「エンペラーはよく頑張ったね。」
「へへへ、アザッス……」
頭を掻きながら照れたあと、所で天使をみた。
「目に血流しながら僕らの方見てるよ。天使……」
「……嫉妬してるよあれ、君モテモテだね。」
「嬉しいことだよ。」
ハンタァァァ!!、ムカつくゥゥゥゥと叫んで出ていった。可哀想に、僕は微笑ましく見ていたが、はっと思い出した。
「あ、そう言えばエンペラー。君、科学とか機械開発とかに精通してるよね?。その得意な技術でさ、調べてほしいんだよね」
「ん?、何?、面白いこと?」
「……うーん、人によるね。」
僕は向き直る。
「白い紙の蝶なんだけどさ」
各モンスター成長
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ゴブリン
戦闘能力
25
SKILL
新生・棍棒術 1
同情的精神 7
打撃 6
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スライム
戦闘能力
27
SKILL
分身 2
変装 1
無限収納 1
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天使
戦闘能力
38
SKILL
自由飛行6
新生・槍術 1
回復魔法 Max
浄化魔法 Max
新・身体強化 2
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ーーーーーーーー
ハンター
戦闘能力
36
SKILL
身体強化 Max
超距離射撃 Max
百発百中 Max
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ーーーーーーーー
エンペラー
戦闘能力
5
SKILL
コミュニケーション 1
やっとできた心の理解者 2
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