ピーピング・トムの傲慢

 生徒会が「神の目」を持つ自分を探っているようだが、全く愚かなことだ。

 あの生徒会長がどれだけ優秀だろうと、教師陣に報告することはありえない。

浮気防止のための監視が行えなくなるからそんなことはありえない、と会長の彼氏にとっておきの一枚と引き替えに聞き出してある。

 あの女が、どれだけ『彼氏』とやらに執着しているかはすでに分かっている。

 なにやら、生徒会や風紀委員に関係のない「探偵役」を雇ったようだが、定森雅紀……あんな恰好だけのヘボヤンキーに尻尾をつかませるようなヘマはしない。

 なにせ、この自分のカメラは全く証拠が残らないのだから。

 これまでもさんざんバラまいてやったが、外面だけはいいあの生徒会長の写真はひときわ高く売れる。あれ以来スカートの下に短パンを履くという小手先の対策をしているが、この『アルゴス・レンズ』の前には無意味。今度の体育の時間が楽しみだ。

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