「一滴の水」

万華鏡のように

翠緑玉の光を放つ

幾何学模様

まるで雲母のなかを

プレアデス星団も遠く

銀河系は遥か彼方

おそらく

或る大きな流れは

みな或る一点の光のもとへ

引き寄せられ

気の遠くなる程の

とてつもなくながい

その道のりの途中で

闇にとり込まれるものもあり

その流れとは真逆に進んだというべきか

あるいは戻ったというべきか

ようやく辿りついたそこは

なにもない空間に

ひっそりと漂う

一滴の水だった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る