第188話:ショップに突撃ミツキさん



『何このゴスロリ、めっちゃくちゃ可愛いじゃん』


 あぁ……。


 ミツキさん。


 アドレス交換して、メッセージが届くようになって。


 下着屋さんへ行った、その翌日。


 彼氏である山田くんと一緒に、雪人さん雪江さんのショップ襲撃中。


 まだ冬休み中、とは、言え。


 連日デートとは。


 さすがに、あたしはご遠慮ご辞退。


 現地で例のカタログを、ご覧になられた模様。


『ゴスロリ可愛すぎこっちの白の子も男の子なんでしょ? めちゃ可愛い会いたいー』


 うはは。


 おいでなすった、って、感じ?


『しかしこの服はアタシには似合わないよなぁ残念だけど』


「その服は特別だし、かなりお高いし。他のなら似合うのもあるんじゃない?」


『うんうん今お店で見せてもらってる後で隣の女装ショップも行ってみるー』


 いや、女装ショップそっちは、あんま意味無いと思うですが。


 物珍しさのご興味、って感じ、かしら。


 まさかミツキさん。


 『男装した上から女装』なんて、先輩たちじゃぁあるまいし。


 やらない、よね?


 それとも、山田くんを女装させて、遊ぶ?


 うわぁ……。


 ミツキさんなら、やりかねない!?


 かも?


 山田くんは……そんなに背も高くなくて、あたしよりちょっと高い程度。


 …………。


 ミツキさんが変な気を起こさない事を、祈っておこう。


 山田くんを女装させちゃだめよ、とか、言ったら。


 やぶヘビ。


 絶対にヤバい。


 ような、気が、するるん。


 うん。


 それもあるけど。


 もしかして、山田くん自身が、女装を、ご所望したりして?


 うーむ。


 その可能性も、無くは、無いし。


 本人の意志なら、それは、それで。


 周りがとやかく言う事でも、無いし。


 こればっかりは。


 うん。


 あまり深く考えないで、おこう。


 おっと。


 返信しないと。


 ミツキさんのひとり語りになってる。


「あんまりお店で騒いで迷惑かけちゃ、だめよ」


 っと。


 すぐに、メッセージが返って来る。


 速い……。


『わーってるわーってるダイジョブダイジョブ』


 ほんとかなぁ。


 雪江さんや雪人さんから、クレーム来ないか、ちょっと不安。


 まあ。


 ちょっと明るくて、にぎやかでは、あるけど。


 非常識にも程がある! って感じでもないしね。


 山田くんも居るし、大丈夫、でしょう。


 …………。


 ふたり揃って、とか?


 うーむ。


 これなら、やっぱり、一緒に行った方がよかったかも?


 年始のご挨拶かねて、今から行こうかしら。


 山田くんとミツキさんと入れ違いになるかもだけど。


 まぁいいか。


 どうせヒマだし。


 っと。


 お着換え、の、前に。


 お肌のお手入れもしなくっちゃ。


 今日はお出かけするつもりなかったから。


 まだお手入れしてなかったや。


 それから、お着換え。


 どれ着て行こう、かなー?


 クローゼット。


 着実に増えてる、女物の、洋服。


 色とりどり。


 男物が隅っこにおいやられてるのが。



 なんか、もう、ねぇ……。



 苦笑、するしか、無いです。はい。



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