山田くんの彼女と

第182話:お正月明け、いきなり山田くんの彼女に会うことに



 母さんの実家で過ごした、お正月。


 三が日の、三日目には帰宅。


 母さんの妹、サヤカ叔母さんとはすれ違いで、会えず。


 どうやら、会いたがってるとのウワサ、らしいけど。


 ユイナおねえちゃんも、しかりで。


 今度、どこかの休みで日を合わせて集まろうって話になってるみたい。


 皆さんの、意図が、ありあり。


 まぁ、仕方ない、か、な?



 そんな、お正月も、明けまして。


 母さんはもう、すぐにお仕事。


 お疲れ様です。


 あたしは、まだ少しの休み。


 なんだけど。


 早速の、お呼び出しは。


 くだんの。


 山田くん。


 の、彼女があたしに会いたい、って事で。


「よう、園田」


「やぁやぁ、山田くん」


 駅前で落ちあった山田くん。


 そのお隣には。


「うぁあ、マジ? ホント? ウソぉ!?」


 このが、山田くんの彼女、かぁ。


 ちょっと髪の色がうっすらしてるのが、山田くんとも、お揃いで、お似合い?


 なんとなく、やんちゃ入ってるっぽい雰囲気で、服装もちょっとボーイッシュながらガーリーで、しかも、山田くんともペアっぽい感じに。

 

「初めまして、山田くんの中学の友人で、園田、です」


 一応、それなりに初対面の、ご挨拶。


 なんだけど。


「うんうん、聞いてる聞いてる見た見た、すごいね、ホントビックリだよ」


「えぇっと……」


 ちらっと、山田くんに、ヘルプしたらば。


 すぐに解してくれて。


「あぁ、こいつはミツキ、洞爺とうやミツキ、な」


 彼女の名前を教えてもらって。


「よろしく、トウヤさん」


 改めて、ご挨拶の、続き、なんだけど。


「あー、ミツキでいいよ、ミツキで。えっと、まあやちゃん、だっけ」


 んー、見かけ通りフレンドリー。


 さすが、山田くんの彼女、か。


「あ、えっと、はい園田真綾です、よろしく」


「うんうん、よろしくね、まあや。ホント、声聞くまで半信半疑だったよ、よかったよかったケンゴの浮気じゃなくて」


 あはは。


「あはは……」


 苦笑い。


 お騒がせ、したくてした訳じゃ、ないけど。


 ふむぅ、そういう誤解も生まれる、とわ。


「よっし、じゃあ、とりあえずメシにすっか」


 とりあえず、彼氏の先導で。


「サンセー」

「よしなに」


 お昼をご一緒に、って事だったので、近くのファミレスへ。


「最初写真見た時は、マジこいつ浮気してんじゃんって思ったし」

「する訳ないだろ」


 ファミレスで、席待ちの間も、三人で、あれこれおしゃべり。


 そう言えば、この二人、クリスマスから、って事だったけど。


 こっちも、その辺り、根堀っちゃおうかしら?


「ねぇ、ねぇ、ふたりはこの間のクリスマスから付き合い始めたって聞いたけど?」


「うんうん、には、ね」


 うん?


 正式?


「いやぁ、驚いたわ、実際」


 ほぉ。


 なかなか。


 面白そうな、馴れ初めが、聞けそう?



 かな?



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