第181話:新年あけまして飛び交うメッセージ



 やがて、新年。


 元日元旦一月一日零時を、少し過ぎた頃。


『あけましておめえでとうございます』

『新年明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします』

『ぎゃー間違って送信ボタン押しちゃった改めましてあけよろー』


 先輩方の、メッセージ。


 あたしも、あらかじめ入力していた文面を、送信。


「新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」


 ちょっとカタイ、かな?


 と、思ってたら。


『固い固い、真綾ちゃん固すぎ新年あけおめよろー』


 先生、軽すぎでしょ。


『先生、軽すぎ軽すぎw』

『どっちが生徒か先生か』

『今年もいろいろ思いやられる』


 と、まぁ。


 相変わらずの、八時間目の、面々は放っておくとして。


 他のお友達にも、新年のご挨拶メッセージ。


「新年おめでとう。今年もよろしく。アルバイト頑張ろうね」


 と、レイちゃんに送れば。


『あけましておめでとうです真綾ちゃんこちらこそよろしく頑張ろうねー』


 なんて、返ってくる。


 一応、他の男子の面々にも新年メッセージ送ったら。


『振袖姿の写真プリーズ』


 とか、返って来るけど。


「残念ながら、着物じゃないよ普通の私服」


 一応。


 その私服姿を自撮りして、送っておく。


『おぉ、これは、これで』

『ちょっとおめかし?』

『相変わらずだな』

『全身プリーズ』


 んもぉ。


「母さん、ちょっと写真撮ってくれない?」


「んー? いいわよー」


 母さんに、端末を手渡して。


「はい、ポーズ」


 全身入れた写真を撮ってもらって、送信。


『本気で正月休みも完全女装なのな』

『やるならとことん、って感じになってるわけか』

『やばい、こんな写真スマホに入れてたら彼女に勘違いされちまう』

『おいちょっとまて山田、彼女ってどういうことだ?』


 なぬ?


『いやぁ、クリスマスにちょっとなー今も一緒に初詣中』

『けしからんヤツだ正月明けに尋問だな』

『うぅ山田は仲間だと思ってたのに』


 あはは。


「あたしもじっくり聞きたいわ、その話」


 ……。


 少しの、


『よし、やっぱり真綾を彼女にしよう』

『早まるな川村よおまえには菅原さんが居るだろう』


 お?


『違う違うそれは違う断じて違う』


『オレももう真綾でいいかな』


 ちょおお?


『森本おまえまで……』


 若林くんは、まだまとも?


『それならオレも参戦だ』


 おぉおおおおいっ!?


 まぁ。


「はいはい、冗談はそれくらいで。今年もよろしく、ね」


 本気な訳は無い。


 よね?


 しばらく、そんなやりとりをしてたんだけど。


 山田くんが、沈黙。


『山田どうした修羅場か?』


『彼女に真綾写真見られて説明に四苦八苦してた今度会わせろって』


 えぇええ!?


 なじぇええ。



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