第167話:リビングは撮影スタジオ
そして。
始まりましたるは。
撮影会。
まぁ、コスプレと来たら、撮影会、だよね。
しかも。
ココは、超高級マンション。
そう言えば、ルミさんとカナさんのどちらのお宅なんだろう?
入口の表札とか、見落としてたか。
見たとしても。
姓だけだと、どちらかわからない、か。
そこは置いておいて。
リビングのソファ、ロウテーブルから少し離れて。
広い空間。
そして、大きな壁、と、思っていたら。
壁がそのまま、でっかいスクリーンになっていたらしく。
映し出された、映像。
あぁ、なるほど。
「これで背景を変えて撮影するんですね……」
いつの間にか、どこからか、カメラを乗せた三脚も登場してるし。
「じゃじゃ、じゃ、真綾ちゃん、ここに立って」
カナさんに手招きされて。
モニター前の、カメラの正面。
「はい、角度はこのくらいで……
「あ、はい」
一応、作品観てるから。
緑色の
中学生だけど、大人びた雰囲気で、眼鏡っ娘。
あぁ、おさげ子先輩のイメージに、近い、かな?
でも、変身して
こんな感じ、かな?
「いいねいいね、いいよいいよ」
撮影係? の、ルミさん。
「エリ、右側のライトもうちょっと左に振って」
「あいよー」
あぁ、この部屋、すごいな……。
天井だけでなく、壁にも電灯があって、角度を変えられるんだ。
「んじゃ、撮るよー」
カシャシャシャシャシャ。
連射。
アルバイトでやってるモデル撮影で教えてもらったけど。
一枚だけだと、失敗する可能性があるから。
カメラが段階的に明るさを変えて、複数枚を連射してるんだって。
しかも、アルバイトの時よりも、すごく速い……。
大きなカメラだし、高そうなカメラだし。
うわぁい。
「おっと、その表情もいいけど、おすましよろしく、もう一枚ねー」
あ。
「はぁい」
ん。
ツッコミたいけど、ここは我慢して。
「はい、ポーズっ」
カシャシャシャシャシャ。
「おっけーおっけー、カナ、次のポーズよろしく」
「はいはい」
カナさんが駆け寄ってきて。
「真綾ちゃん、次は変身後の決めポーズ、わかる?」
「あ、はい。えっと、確か……」
こんな感じ、だったかな?
足は前後に、上体を左側へ回してカメラ正面側へ。
左手を斜め下にピン、と、伸ばして。
右手の甲を額の上あたりに。
「うんうん、もうちょっと背筋をのばして」
カナさんに、ぐいっと肩を動かされる。
「うん、こんな感じかな」
「いいね、それでOKよ」
「ライトもこんな感じでよいかな?」
エリ先生も、照明係? として、天井や壁の電灯を操作してらっしゃる。
なんか、完全に撮影スタジオ状態……。
「んじゃ、撮るよー。はい、ポーズ」
カシャシャシャシャシャ。
なんだ、かんだ。
そんな、感じで。
必殺技やら勝利のポーズやら、背景も変えつつ、いっぱい、たくさん、撮られて。
アルバイトでやってるモデル撮影と。
色んな意味で、似て、非なる。
撮影会。
最後は、四人プラス、桃色のぬいぐるみを抱いて。
遠隔操作シャッターで、記念撮影。
えっと。
これのどこが。
クリスマス・パーティ?
と、思ったら、丁度、撮影会が終わったタイミングで。
呼び鈴。
デリバリーが、到着したらしく。
カナさんが受け取りに行ったので、おそらくこのお宅の家主は、カナさん、かな?
デリバリーのヒト、驚いただろうな、あの格好だと。
本日のパーティは。
「ピザだよー」
あ、なんか違うような気もするけど、なんか、普通?
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