第160話:セイなる夜に着る衣装(下着込み)




『まひた真綾さん、クリスマスの予定です』


 エリ先生、ウザいよ……。


「先生、ウザい・・・」


『先生に向かってウザいとは何ですか。当日十三時ごろに車で迎えに行くから』


 エリ先生とプライベートでメッセージのやりとりとか。


 どうなの?


 って、気も、しなくも無いけど。


「了解」


 そんな感じで、何故か、クリスマスにはエリ先生と。


 エリ先生のお友達たち、と。


 ご一緒する事に。


『あと、できるだけ可愛い服装で来てね、まひた真綾さん』


 やっぱり、そっち方面がご入用なのですね。


 まぁ、いいけど?


「了解ですそしてウザいです」


 手元にあるものでいいか?


 新調、する?


 どうしよう……。


 コートは母さんに借りるとして。


 コートを脱いで、室内、となると。


 暖房も効いてるだろうから、あんまり暑くならないような恰好がいいかな。


 ブラウスとベスト、それにキュロットでいいかな。


 薄手の上着もかけて、温度調整できるようにすればいいか。


 むむ。


 そうすると、いいベストが無いかも?


 がさごそ。


 洋服タンスを、漁ってみる。


 んー。


 コートのついでにベストも母さんに借りる?


 可愛いベストとか、あるかなぁ。


 一度聞いてみるか。


『あ、あとね』


 なんですか、先生。


「なんですか先生」


『下着もとびっきり可愛いのでおねしゃす』


 …………。


「見せませんからね?」


『万が一って事で』


 万が一。


 いやな予感がする気がしてならないんですけど。


 事故と言う名の、故意。


 行くの、やめようかな……。


「行くの、やめようかな?」


『いやぁんダメよダメダメ絶対来てねー』


 この先生。


 壊れてきてるのか。


 これが本性なのか。


 下着、かぁ。


 ブラはあるとして。


 ショーツ、どうしよう。


 ショーツはあんまり可愛いの、揃えてないんだよねぇ。


 深履きのタイプって、どうしてもおばさんチックになってしまいがちで。


 レースのとか、無いし。


 レースの入った可愛らしいの、と、なると、普通の丈なんだけど。


 普通の丈だと、が良くないのよね。


 はみ出し禁止、と、なると。


 お腹の方まで丈のある、深履きのタイプになってしまうから。


 んー、何かいい方法は?


 下着屋さんに行って探すとなると、敷居が高い。


 通販サイトで探してみるか。


 ……。


 ……。


 あれ?


 このサイト。


 メンズ?


 女性下着専門のメーカーのサイトだと思ってたけど。


 キッズと並んで、メンズのコーナーが、ある。


 キッズの方は、学校用の白無地のシンプルなブラやショーツ、それにキャミソールとかが揃っていて、お世話になってる。


 レディースの方は柄物の可愛らしいのを探すのに便利。


 なんだけど。


 メンズ、とは?


 どんなのだろう?


 とりあえず、見るだけなら、タダ。


 いやまあ、通信料はかかってるけど。


 月額定額無制限のライトな回線だからいいし。


 そして。


 開いたメンズコーナーで。


「うわ! なんじゃこりゃ」


 開けてびっくり。


 ボクサーパンツが主流メインみたいだけど。


 ブリーフやトランクスも、ある。


 でも、それが、普通じゃなくて。


 レーシーだったり、シースルーだったり。


 やけにセクシーなのがあったり。


 サイドが紐になったブリーフとか。


 女性用のハイレグショーツみたいな。


 うわは。


 さらには、男性用ランジェリーとして。


 可愛らしい、ふんだんレースのキャミソールに、おそろいのビキニブリーフ。


 あ。


 この『ふんどし』タイプのブリーフ、意外と可愛い!



 うーん。


 でも、全体的に柄が、奇抜なのが多いなぁ。


 あたしが持ってる淡い色のブラに合いそうなのが、無いわね。


 んー。


 いろいろ見てみよっと。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る