第139話:他とはひと味違う東雲女子の文化芸術祭
イベント盛りだくさん、てんこ盛り状態で、右へ往ったり左へ往ったり。
うぉーっ! さぉーっ!
みたいな?
スラックスタイプの新制服の事もあったりして、『文化芸術祭』のクラスの出し物……テーマにも、変化が。
最初は、あたしの『制服』と『私服』の二種類を描こう、って事で。
放課後、先ずは制服姿を描くグループが、描き描き。
みんなが、みんな、絵心がある訳じゃないけど。
幸いな事に、あたしのクラスは選択美術のクラスなので、ある程度。
ちなみに、色鉛筆が使えるかどうか、クラス委員さんが生徒会に確認して、オッケーって事で。
普通の黒の鉛筆だけの作品と、色鉛筆を使った作品と。
文字通り、色、とりどり。
制服の後は私服姿なんだけど……。
例のゴスロリドレスの事を知ってる人が、是非あのドレスを、って話もあったんだけど。
残念ながら、買うのも高いし、借りるのも微妙だしってことで。
あたしが持っている普通の私服で、少しカラフル目なので我慢して頂いて。
そんな私服姿を描き描きしているタイミングで、例の新制服のお披露目。
もちろん。
これは! って、なって。
急遽『新制服版』も追加されることに。
枚数が増える分には問題ないので。
私服版を少し巻きで終わらせて、新制服も、描き描き。
と、言うか、描かれ描かれ?
あたしも、モデルとして描かれるだけ、ってのもアレかなぁ、と、思って。
こっそり自宅で、姿見に映した自分の姿をスケッチしてみる
久しぶりに、男子の姿で、男子として。
新しい制服で。
ん……。
これは、これで?
こっそりと紛れ込ませてみたら。
「ちょっと、何これ!?」
「男装
「園田さん……いや、園田くん、カッコイイ?」
男装て……。
しかも、疑問形ですか。
だけど、おかげさまで?
クラスのみんなとも、仲良くなれた、かな?
そんな感じで。
新しいスラックスの制服と、従来のスカートの制服と。
その日の気分で、換えてみたりしつつ。
それは先輩たちも同様みたいで。
基本、スラックスがメインみたいだけど。
やっぱり、一日中、男装してるとツライみたい。
午前中だけスラックスで、午後はスカートに戻すとかしてるみたい。
そして。
東雲女子高校の、文化芸術祭は。
平日だし、学校外からの来場者も無く。
学校内の生徒だけで行われるんで。
模擬店とか、軽音楽ライブとかも無いから。
しれーっと始まって。
それでも、通常授業が無く、各クラスの出展を見学する一日。
一応、交代で自分のクラスに数名残ってお留守番。
講堂では吹奏楽部の演奏や、合唱発表のクラスとかもあり。
時間になると校内放送。
基本的には、短時間なので、全員参加。
こういう形式の文化祭? 学園祭? なんて、珍しいよねぇ……。
学生からすると物足りない感はあるだろうけど。
基本、進学校でお嬢様学校。
本分は、って、事なんだろう、ね。
多分。
知らんけど?
それでも、普段の授業の日とは全然違うから。
行く先々で。
または、自分のクラスでお留守番している時にも。
他のクラス、他の学年のひと達から、質問攻めに合うのは。
仕方ないとは言え、こそばゆい。
それに。
「どうしてこの学校に?」
との質問には。
「家が近いから」
って流れで。
「へー、どの辺?」
「えっと、実は……」
なんか。
如実に、家バレ。
それでなくても、通学時に目撃されて知られまくってる説もあり。
まあ。
仕方ない、か。
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