第136話:スラックス制服を全校生徒にお披露目



 テストケースとして用意された、スラックスタイプの新しい制服。


 いきなりあたしたちがこの新しい制服を着はじめたら、驚かれるので。


 いったん、生徒会に事前説明。


 さすがに生徒会役員メンバーも驚いてはいたけれど。


 もともと、生徒会から『スラックスタイプの制服が欲しい』、って要望を出していたこともあり、歓迎ムード。


 デザインも、比較的、好印象。


 ただ。


「共学になって、男子が着るとしたら、ちょっと可愛すぎる感じね」

「完全に女子用って考えると悪くないとは思うけど」


 との、意見もあるものの。


 全校生徒向けのお披露目も、実施。


 LHRロングホームルームの時間を全校集会に変えて、講堂で。


 生徒会長が説明している間に、あたしと先輩たちはお着換え。


 不思議な状態ではあるけど、先輩たちは中身男装、あたしは、中身女装。


 ただ、デザインとしては女子向けなので、ぱっと見た感じでは、先輩たちが明らかな男子、と言う風には、見えない。


 着替えた後、講堂の壇上袖で、待機。


 待機中に、生徒会役員さんから、この後の段取りについて説明を受ける。


 そうしつつも、生徒会長の説明が進んで。


 以前の『クジ引き』の時同様に、生徒会役員さんのビデオ映像を交えて生徒会長の説明。


 壇上にはマネキンも用意されていて、それをビデオカメラで撮ってスクリーンに映してるみたい。


 そうして、とうとう。


「では、実際に着用した状態をご覧いただきましょう!」


 壇上の生徒会長の、声がスピーカーから流れて。


「出番よ」


 舞台袖で一緒に待機していた生徒会役員さんに声をかけられて。


「行こうぜ」


 おさげ子先輩も、反応。 


「ほら、真綾、先行けー」


 金髪男先輩に、背を押されて。


「堂々と、胸張って行こうぜ」


 一番後ろから、ぱっつん男先輩の掛け声もあり。


 舞台袖から、短い階段を昇って、壇上へ。


 拍手と、歓声と言うか、ざわめきと言うか、どよめきと言うか……。


『まーやちゃーん!』


 って、誰だあああ。


 クラスの子たち、かな?


 とりあえず、自分のクラスの方に、ちょっとだけ手を振ってみる。


 ちらっと横を見ると、リアルタイムにビデオカメラの映像が、スクリーンにも表示されてる……。


 めっちゃアップで、めっちゃ恥ずかしいし緊張するんですけど!


 うぅ。


 リハーサル無しで、よくやるなぁ、と、自分でも驚くけど。


 壇上を半分ほど進んで。


 生徒会役員さんに案内された、壇上の中央付近に。


 ずらっと。


 先輩たちと一緒に、並んで立つ。


「はい、こちらが実際に着用テストをして頂く皆さんです」


 改めて、拍手、喝采。


「先ずは、女子着用のイメージとして、皆さんご存知、一年生は園田さんです!」


 へ?



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