二学期・イベント盛り盛り

第121話:九月、新しい学期、二学期、の、前に



 こうして。


 長い、長い、夏休みが、終わる。


 明日から、新しい学期。


 二学期。


 九月。


 玄関からダッシュで五秒の、東雲女子高校に入学して。


 はや? 半年。


 まだ? 半年。


 なんか、もう、二、三年も過ごしたような、濃密で濃厚な、半年。


 それに、夏休み。


 いろんなことが、めまぐるしく、ありすぎて。


「ぼぉー……」


 なんか、ひと息着いたら、気が抜けてしまった感。



 入学して。


 いや、入学する前から、大変だったよね。


 男子の制服が用意されてない?


 女子と同じ校則で、下着も女子用??


 そんな!?


 でも、それが条件だって。


 なんでよ!


 って、思ったけど。


 玄関ダッシュで五秒の通学時間には代えられず。


 せっかく、合格したんだし!


 って。


 入学したら、したで。


 まわりは当然、女子ばかり。


 男子は、あたしひとり……。


 最初は、ただ、他の女子と同じ制服を着るだけで済ませてたけど。


『小学校中学校もずっと女子校で、男子に慣れない女子の先輩』を。


『男子に慣れさせてあげる』ために。


 開かれる事になった『八時間目の授業カリキュラム


 通常授業は、月曜から金曜まで、六時間。


 それとは別に、七時間目の授業が週に一度。


 本来、学校ではお化粧は禁止だけど、七時間目の授業は、逆に、そのお化粧……コスメについて、学ぶ。


 学校を卒業すれば、お化粧をする機会も増えるというか、お化粧をするのが、当たり前になるから。


 卒業してから、慌てないために、だって。


 なんか、変な感じもするけど、理にはかなってる、のかな?


 その七時間目とは、さらに別に設定された、あたしと先輩だけの『八時間目』


 そこで三人の先輩と、顧問? になる先生と、出会って。


 最初は、お互いにぎこちなかったけど。


 なんだかんだ。


 どちらかと言うと、女の子らしくなかった、あたしを。


 ただ、女装している男子を。


 女の子らしく!


 って。


 三人の先輩たち、それから先生に、さらには、お母さんまで、半ばいじられるような形で。


 だんだんと。


 女の子らしい、膨らみ。


 女の子らしい、髪型。


 女の子らしい、しぐさ。


 女の子らしい、口調。


 女の子らしい、料理テクニック……これは男女関係ないと思うけど?



 女装グッズを手に入れるために訪れた専門ショップで出会った、女装の先輩。


 雪人さんと、その息子さんの、アキラくん。


 料理の苦手な先輩たちと先生に、料理を教える合宿なんかにも行って。


 別々の高校に進学して、少し疎遠になってた中学時代の男子のお友達とも再会。


 その男子を、男子に慣れない先輩たちに紹介したり。


 女子の先輩たちが、男装をするなんて話にもなって、実際に男装グッズを買いにコスプレショップに行ってみたり。


 そんな中で、あたしとは別の女装男子の菅原すがわらレイちゃんとも出会って、一緒にアルバイトをしたり。


 それは、それは。


 めまぐるしい、夏休み。



 それも、やっと? ようやく?


 今日で、終了。



 明日から。


 新しい学期。


 二学期。


 九月!



 久しぶりの、登校!




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