第29話:先生気付でスポブラと夏キャミ購入



 が動かないようにする、って意味では。


 ナイトブラでも代用できるんじゃね?


 と、思ってネットで調べてみたら。


 どうやら、代用は出来ないらしいってコトがわかったりはしたんだけど。


「でも、それってが本物の場合だよね?」


「んー、でも、真綾まーやの持ってるナイトブラって、白じゃなくて色柄だよね?」


「あ……」


 ソウデシタ。


 ってことで、また母ちゃんとネットショップで、ポチっと。


 なんかもう、母ちゃんが嬉しそうにポチれポチれと。


 白無地のスポーツブラ、ゲットだぜっ!



 …………。



 ネット通販なので、試着なしで。


 どんな感じなんだろう?


 普通のブラとか、ナイトブラとどう違うのかな。


 荷物が届くのが待ち遠……しくなんかないんだからねっ!?



 あぁ、やばい。


 この思考はやばすぎる。


 うぅ……。


 でもでも、新しいモノを買ったら、わくわくするよね?


 しちゃうよね?



 そして数日。



「ちょっと! 園田さんっ!」


 八時間目の授業に、ロリ先生が大声を上げながら乗り込んで来た。


「ん? どした、先生」


「どした、のじゃないわよ! なんであなたの荷物の受け取り先が先生になってるのよっ!? 事務から呼ばれて何事かと思ったわよっ!」


 小さな段ボール箱をかかげてお怒りの模様。


「あー。日中、家に誰もいないから。お隣さんって言うか、お向いさん気付でいいじゃん、って、母ちゃんが」


「うっ……お母さまのアイディアなのね……」


 むふ。


 先生から箱を受け取って。


 これは家に帰ってから中身を確認しよう。


 と、思ったら。


「で? 何買ったの? この箱って……下着のメーカーよね……」


 おさげ子先輩からの、突っ込み。


「スポブラ。体育の時にちょっと不便があって」


 誤魔化したりするのも面倒だし。


 みんなオレがブラ着けてるのを既に知ってるし。


「あー……なるほど」


「へー。どんなの買ったのー? 見せて見せてー」


 金髪子先輩が興味深々?


「別に興味はありませんが、園田さんの美的センスを診断してさしあげましょう」


 ぱっつん子先輩も食いつくんかいっ。


 まぁ、男女逆ならセクハラだろうが。


 女子の先輩方や先生が、ブラを見るくらいなら、まあ。


 まさかの、学校で開梱。


 いや、先生に言わせれば、学校に着荷するなよ、と言いたいんだろうけど。


 そこはスルーして。


 開梱。


 梱包を、開ける。


「ほれ、こういうやつ」


 開けて取り出した商品をみんなに披露する。


「……普通ですわね」

「ごくごく、普通だね」

「あ、これ、ウチが使ってるのと、同じやつだー」


 サイズは違うだろうけど、な?


 金髪子先輩と……。


「おそろだー、おそろだー。園っちと、おそろだー。いやぁん」


 嬉しいのか? イヤなのか?


 どっちだよっ!?


「あれ? まだ他にも何か入ってる?」


「ん? あぁ……」


 おさげ子先輩がめざとく箱の中を指摘。


「こっちは、夏用のキャミ。冬用しか持ってなかったから、ついでに、な」


 キャミも箱から取り出して見せる。


 両手で持って、顔の下にちょこんと広げて。


「ほぉ、ほぉ。その仕草、ますます、女の子らしくなって来るねー」


 あ。


 それをおっしゃるならば。


 三先輩の男子慣れも。


 すでにかなり慣れて来てるだろ?


 もう終わりでよくない? この八時間目……。


「そう! でも、まだっ!」


 ロリ先生が、先程の怒りのテンションを復活させたように。


「え? 何? 先生、急に、どうした? オレがまだ何?」

 

 びしっと、オレを指さして。


「その喋り方! まだ『オレ』って言ってるしっ!」



 あ……。





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