第23話:女の子らしい歩き方、からの・・・
さて、全然ゴールデンじゃないゴールデンウィークも終わり。
駆け足ぎみに過行く季節。
と、言うか、中間テスト。
七時間目だ八時間目だ、さらには女子力アップだとかで。
さんざん時間を使うハメになり、勉強の方は。
まぁ、普通に出来てるけどな。
真面目に授業を聞いて、宿題に予習復習をこなしていれば。
さほどの問題は、無い。
それよりも、『女子』として覚えなければならない事が多すぎ。
それに、慣れないが故にモタモタとしてしまう場面も多々。
特に。
歩き方とか、仕草とか。
長年(と言っても十五年ちょいだが)男として生きて来て。
そうそうしれっと変えられるものでもなく。
「一本の線の上を歩くように、左右の足を身体の中心で動かすように意識して……そうそう、そんな感じ。だいぶ良くなったよー」
金髪子先輩の指導のもと。
教室の前の廊下を、てこてこと、歩く、今日の八時間目。
「手は軽く握って、内側を少し前に向ける感じでキープできてるし……背筋も伸びてるし、うんうん、いいね、いいね」
「もういいかな? そろそろ時間だし、帰りたいんだけど?」
「えー、もうそんな時間かー」
金髪子先輩と二人、教室に戻ると。
「あら? 終わり?」
おさげ子先輩とぱっつん子先輩が席に座ってお勉強中だった。
いいのか? 八時間目は?
「時間だねー」
ちなみに、ロリ先生は今日は別の用事があるとかで不参加。
「ふぃい。なんだかんだで歩き詰めで疲れた……。これから買い物に行って夕飯の支度しなきゃいけないのに……うぅ……」
オレがぽろっとこぼした、ほぼ独り言の愚痴を。
「え? 夕飯の支度?」
おさげ子先輩が拾えば。
「まさかとは思いますが……お料理、されるんですの?」
ぱっつん子先輩が後を継ぐ。
「ん? あ……まぁ、な」
母ちゃんと二人暮らし。
朝食は母ちゃん。お昼は各自外食。まぁ、オレは今は家に戻って自前で食べてるけど。
平日の夕食は、ほぼ、オレが担当。母ちゃんが休みの時は母ちゃんが作ってくれるけど。
「え?」
「え?」
「うそでしょ?」
いやいや。
あ。
「まさかとは思うけど、先輩方……」
料理、出来ない?
左を向く、ぱっつん子先輩。
上を向く、金髪子先輩。
右を向いて口笛を吹く、おさげ子先輩。
出来ないらしい……。
そして、三先輩が、何やら円陣を組んでボソボソと、会議。
「よーし、園っちの女子力を確かめるために夕飯のテストをしよう!」
円陣を解いて、真ん中のいちばんちっこい金髪子先輩が、一番高い声で、そう
「えー……」
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