軽井広の創作メモ帳

第1話 WEB小説のWEB持ち込み（書籍化立候補）について ※持ち込み先一覧付き

＜要旨＞

　WEB小説の商業化のルートとして、WEB小説の持ち込み、つまり専用フォームで送るだけで書籍化を検討していただける、というものがあります。公募/コンテストと比べて、結果がすぐわかる（２週間程度）のが特徴です。

　最後に受け付けているレーベルの一覧をつけたので、ぜひチャレンジしてみてください！

＜長い長い前置き　※読み飛ばしてください＞

　こんにちは。軽井広です。一応、10冊ほど本を出した書籍化作家ということになっています。まったく偉いことは言える立場ではないのですが、そんな私でも皆様のお役に立つ情報が少しだけあるので提供しようと思いました。

　本日のお題はWEB小説の持ち込みです。

　小説を出版社から出したい！　と思ったとき、方法はいろいろありますね。ライトノベル・新文芸の分野だと、新人賞（公募）に応募したり、あるいは編集さんと書き下ろし企画を練ったり。

　そのなかでもWEB小説から書籍化を狙うのはご存知の通り、近年では有力な手だと思われます。なろうやカクヨムのランキングバトルは熾烈ですが、数年前だったらランキング上位に乗れば書籍化打診はかなり確率が高かったですし、異世界恋愛の一部ジャンルでは今でも日間一位ぐらいになると10社↑から書籍化打診がすぐにあるとか……。

　とはいえ、そうそう簡単に打診（拾い上げ）の話は来ないという事情もあります。ランキング上位に載れなかった、あるいはランキング上位に入っても商業化の打診がなかったとき、どうするか？

　小説家になろう/カクヨムでは、ネット小説大賞やカクヨムコン、各レーベル主催のコンテストを行っています。10万字ぐらい書いた小説なら応募してみるのも手です。重複応募が可能なケースがあるのが良いところ。

　私も何度か受賞させていただきました（過去の栄光）。ただし、応募しているあいだは基本的に他社からの書籍化打診が受けられない（運営が取り次がない）ので、要注意です！　結果発表までは時間かかりますし。

　ちなみに、ノベルアップ＋やノベマのような比較的、小規模なサイトでもコンテストを行っており、参加作品数が少ない傾向にあるので競争倍率も低くて良いのかも……。

＜本題＞

　で、本題なのですが、意外と知られていない方法として、「WEB小説のWEB持ち込み」というものがあります。ざっくり言えば、WEB小説のURLないし原稿をWEBの専用フォームで送りつければ、出版社のレーベルが書籍化できるかお返事をくれるというものです。

　持ち込みというと漫画のイメージが強いですが、漫画の対面持ち込みとはかなり趣が異なると思われます（漫画のこと知らないのですが……）

　出版社は（本当の意味で）面白い、売れる、画期的な作品をいつでも求めている（そういう作品は少ない）ので、作品を集めるルートはなんぼあってもいいのだと思います（たぶん）。

　傾向としては、いわゆる大判の新文芸が多いです。最大のメリットは、なんと2週間前後で結果が出ます！　しかも断られても大して心も痛まないし、傷つかない（これも重要）。新文芸、なろう小説の世界では有名・大手レーベルが多いのも良いです。

　デメリットは……あまりないのですが、まず10万字書かないといけない（おい）。そして、もちろん採用の可能性は極めて低いと思われます。実際に、このルートで書籍化したという作品はあまり聞かないですし（わたしが知っているのは一作だけ）、大ヒット作は今のところないです。それと、基本的に講評などはありません。

　レーベルカラーに合っていない作品を持ち込んでも意味がありません（募集サイトの注意点にも書かれている）し、やっぱりWEBでもある程度ポイントとかがないといけないんじゃないか（これは推測）。

　※特に昔から募集しているレーベルは、その後カクヨムなどでコンテストを行うようになり、書籍化立候補の受付窓口は歴史的使命を終えているのかもしれません。

　でも、持ち込む側はノーリスクなので！　やって悪いことはないです。わたしも一度チャレンジしてみたいなあと思っているので、今度チャレンジしてみます……（実はまだ試したことがないんですよね）！

＜持ち込みを受け付けているレーベル一覧＞

　※電子のみなど書店展開されないレーベル、自費出版、R18などは除いています。また、双葉文庫ルーキー大賞などもあるのですが、趣旨がやや違うので、あくまでWEB小説系に絞っています。ちょっとした解説をつけていますが、すべて公開情報です。

◯KADOKAWA系

　KADOKAWAの大判レーベルだと、ホビー書籍編集部、ファミ通文庫（大判）、MFブックス（フロンティアワークスが運営）の３レーベルは持ち込み受付は見当たらないようです。他の３レーベルはフォームが似通っており、お返事が10営業日なのも共通です。

・カドカワBOOKS

　https://form.enq.kadokawa.co.jp/cre/Enquete/Question?enq=DhB8zYn4K5o%3D&sessionsubkey=be2efab657948bebe58516aa1a1d0072

　言わずとしれた大判ラノベの最大手レーベル。有名作もたくさんで長期シリーズ多し。WEB小説の王道っぽい作品が多い気がします。男性向け、女性向け両方ありですが、近年は女性向けのほうが多い？　私も一度出してみたいですね……。

・電撃の新文芸

　https://form.enq.kadokawa.co.jp/cre/Enquete/Question?enq=BFs9A2UJ2lc%3D&sessionsubkey=dc33be2f1833db0fae9fe9cad32d3d47

　超有名な電撃文庫の編集部が出している大判レーベル。良い意味でちょっと変わった作品が多いかも。男性向け、女性向け両方あり。

・ドラゴンノベルス

　https://form.enq.kadokawa.co.jp/cre/Enquete/Question?enq=V9w4lUi0ops%3D&sessionsubkey=cad2b14d26b304bab6a3d785d85881b1

　黒い背表紙が存在感を発揮。男性向け作品が多いのが特徴かもしれない。

◯大判レーベル

・SQEXノベル

　https://magazine.jp.square-enix.com/sqexnovel/appointment/

　スクエア・エニックスの大判ラノベレーベル。比較的新しいレ―ベルですが、『片田舎のおっさん、剣聖になる』などヒット作もたくさん。漫画が有名な会社なので、コミカライズされている作品も多いようです。いいなあ。

・サーガフォレスト及びブレイブ文庫

　https://hifumi.co.jp/contact/

　一二三書房のレーベル。公式サイトのお問い合わせの中に持ち込みの受付がひっそりとある。文庫もあるので、ラブコメ、現代ファンタジー、えっちな作品など大判では出しづらいものも出せる可能性があるのかもしれません。余談ですが、私もブレイブ文庫さんからは『北欧美少女のクラスメイトが、婚約者になったらデレデレの甘々になってしまった件について』という作品を出しているので、ぜひ読んでね！（突然の宣伝）

・novelスピラ/comicスピラ

　https://spira.jp/wanted/

　2022年から展開する、株式会社ファンギルドの新レーベル。コミカライズも展開。異世界ファンタジーを募集と明記されており、小説の方は令嬢系作品が多いようです。新レーベルは元からいた作家がいないので競争倍率は低い（気がする）ので、良い……のかも？

・アルファポリス（レジーナブックス他）

　https://www.alphapolis.co.jp/pages/writer

　レジーナブックスはアルファポリスの女性向け一大レーベル。持ち込みの他に、アルファポリス掲載小説では一定ポイントをWEBで獲得すると実施できる出版申請という仕組みもあります。こちらは男性向けもOK。

・ツギクル

　https://www.tugikuru.jp/publish

　出版化トライアルという形で、一定ポイント獲得の小説を対象に、出版をツギクルブックスにて検討。また、コミカライズの申請もでき、こちらは外部の提携出版社での検討になるようです。

　他にもコミカライズの持ち込みを受け付けているところもあるようです（私がチャレンジしてみようと思ったので、一時的に伏せます笑笑）。

　なお、この他にもGCノベルズ、アース・スターノベル、ヒーロー文庫でも持ち込みを受け付けていたこともあったようですが、現在は受け付けていないようです。

　他にも募集しているレーベルがあったら、皆様、ぜひ教えて下さい（私のために）。

＜あとがき＞

いかがでしたでしょうか……？　エッセイなのに、恒例のポイントクレクレとかしちゃうので、面白かった、役に立った、と思われたら、ぜひ

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