第8話 彼の発言…

「やめなよ。人をいじめて楽しいわけ?何がしたいんだよ?」

佐野幸樹は、斉藤麗音に言いました。

(ハァ?何でバレてるわけ?え?誰かが言ったの?佐野幸樹にはバレちゃいけないのに…)

斉藤麗音は心の中で舌打ちをしました。人の心が読める佐野幸樹は、凛とした声で言います。

「顔に出てるよそれ。さっき、「ハァ?何でバレてるわけ?え?誰かが言ったの?佐野幸樹にはバレちゃいけないのに…」って思ってたでしょ?」

「なっ……」

斉藤麗音は、声も何も出なくなってしまいました。何もかもバレていたからです。

「そんな悪口とか楽しいの?ねえ聞いてる?」

「…」

斉藤麗音は、黙って佐野幸樹を少しにらみつけました。

(何も知らないくせに…)

斉藤麗音は、負け惜しみを心の中で言いました。辺りでは、静かにしとしとと雨が降っていました。その中で2人の間にどんよりとした空気。今日は暗い雰囲気です。

「全部知ってるよ。僕を手に入れたいからでしょ?だから沙織が邪魔だからいじめてるんでしょ?」

「えっ………………ウソ………何でバレてるの…怖い…怖いよ…」

「沙織の方が怖い思いをしている。僕を手に入れたいのなら僕のいうことを聞いて」

佐野幸樹は冷たいまなざしで斉藤麗音を見つめました。斉藤麗音はさすがの不気味さに震えています。

「…実は私…」

斉藤麗音は静かに口を開きました。


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