第5話 黙っていたことは……
「実は僕…」
佐野幸樹が村野沙織に言いました。佐野幸樹は真剣な目つきで、少し顔を赤らめています。村野沙織は恋愛のことかな?と思ったようです。
「僕、実は人の心が読め取れるんだ。ずっと黙っていたんだけど…。」
「え?!人の心が読めるって…」
村野沙織は驚いて、目を丸く、大きくさせました。
「今の沙織の思っていることも分かる。「人の心が読める…?え、本当なの?え?ウソ…」と思っているんでしょ?」
「う…」
村野沙織はますます驚いてきて、ついにはいろいろなことを考え始めました。
(幸くん大好き一生離さないもし幸くんが他の女と話したらその女を〇〇してやる)
村野沙織はそのヤンデレぶりを佐野幸樹に見せつけるかのように言いました。佐野幸樹は心をどんどん読み取っていく気がしました。それは村野沙織でも分かったようです。
「幸くん、本当にツンデレ?ま、私は「本当にヤンデレ?」って言われるだろうけど」
と、村野沙織は佐野幸樹をからかってみたこともありました。何より、佐野幸樹のツンデレぶりが見たかったのです。「別に……好きじゃない………………し………」この言葉を佐野幸樹の口から聞いてみたかったのです。しかも村野沙織に向かって。そんなことを考えている間に、もう5時になりました。村野沙織が帰る時間です。
「じゃ、バイバーイ!幸くん、またね!」
そうニッコリ言って、村野沙織は夕暮れみたいな赤い空に向かって、自分の家の方向へと帰っていきました。佐野幸樹はその姿をじっと見つめていました。
「別に……好きじゃない………………し………」
そして、佐野幸樹は村野沙織が思っていた言葉を言いました。2人の中を引き裂く敵が、現れることをまだ2人は知りませんでした………。
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