第55話_プラズマクラッド

ケラプが静かにケイラの状態を評価する中、

彼女は電撃の残響で体を震わせつつも、不屈の精神で立ち向かう準備をしていた。


「まさか、『サンダー』を使うなんてね..ほら、もう体動かないから連れて行きなさいよ」

とケイラは諦めたような声で言いつつも、

その目はまだ戦いを諦めていない輝きを秘めている。


ケラプはそんなケイラの様子を冷静に見極め、

「いや..手は貸さない....まだ動けるんだろう?」

と疑念を抱きつつも、彼女の策略を警戒していた。


「ま、二度目は通用しないか。でも効いてるのは本当よ、大分治ってきたけどね」

とケイラは苦笑いを浮かべながらマチェーテを杖代わりに立ち上がる。


「正直これで倒れてほしかったが仕方ない....次の攻撃を喰らったらもう立ち上がれないと思え..」

ケラプは覚悟を決めたように言い、次の一手を準備する。


「もう攻撃は喰らわないわ。こっからもっと出力上げるから、痛かったら手を挙げなさいよ?」

とケイラは挑発的に笑い、踵を浮かせて小刻みにジャンプする。

その瞬間、彼女の姿は消え、高速で建物間を移動する。


ケラプはケイラの驚異的な速度に驚きつつも、

彼の経験と勘を頼りに彼女の動きを何とか追う。

ケイラが正面から急速に襲いかかると、

ケラプはとっさにプラズマクラッドを使用した腕で迎撃する。


しかし、ケイラは驚くべき反応速度で姿勢を急激に低くし、

マチェーテを逆手に持ち替えて右足のアキレス腱を切り裂く。

直撃した斬撃によりケラプは一瞬バランスを失うが、すぐに立て直し反撃を試みる。

が、ケイラは瞬く間に位置を変えその反撃を巧みに避ける。


「ふふ、弱点見っけ。『プラズマクラッド』で一度に纏える部位は1か所だけね」

ケイラは戦闘中であるにも関わらず、楽しげに声を上げる。


ケラプは冷静にそれに応え、

「その通りだ..だが、わかったところでどうということはない」

と表情を変えずに言う。

その声には静かなる自信と冷静さが漂っている。


「強がっちゃって。..次も足を狙うわよ」

と、ケイラはさらに挑発を強め、

笑顔でケラプの左足を指しながら、その次の動きを予告する。

彼女の表情と言葉は戦いの中でも楽しんでいるかのようだが、

その目は計算された冷静さを隠していない。

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