沖縄の日常の怖い話

メル

第1話 沖縄

 青い海、青い空、照りつける日差し。ヤシの木。パイナップル。サトウキビ。

沖縄の一般的なイメージはリゾート地のそれだろう。

 

 しかしオカルト好きの方やスピリチュアル好きの方にはここ1、2年は占い番組や怪談を話す芸人さんのおかげで『ユタ』といった霊能者のイメージを持たれる方も少なくないかもしれない。

 確かにここ沖縄では、何か体に不調や良くない事があると『ユタ』と呼ばれる、民間霊能者に見せるという選択肢があった。今でもあるだろう。

 医者半分、ユタ半分、と云う言葉がありそのくらい昔は『ユタ』に頼っていたらしい。

 私は沖縄で生まれて46年経つが、その『ユタ』に掛かった事がなく、のうのうと暮らしてきた。一度見てもらいたいな、と思った事はあるが今まで縁がなく過ごしてきた。

 しかし最近のテレビやYouTubeなどを見ると、沖縄では当たり前に何かあると『ユタ』に掛かっているというイメージになっている気がする。もしかすると他の方はそうなのかもしれないが、何度も言うようだが私はあまり聞いた事がない。

 普通の沖縄人が普通に過ごしてきた中での怖いのか不思議なのかわからない話をしてみたい。

 ご期待とは言い難いが、その中でやはり沖縄は他の地域とは違うなぁと感じる事があるかもしれない。それを自分でも確かめてみたい。宜しくお願いします。


最初に少しお話する。


 沖縄には『御嶽(うたき』と呼ばれる拝み場が色んな所にある。

 街中に急にあったり、公園内にあったり、神社内にあったする。

 それは昔からの沖縄人の祈り場なのだ。昔から親戚のおばさんや友達のお母さんなどが何かあると、どこどこの『御嶽』に行ってお祈りして来なさいという話をよく聞いた。私はよくわからないが、一箇所ではなく何箇所も参りに行き、順番も決まっているそうだ。


 結構聞く話だと思う。


 実際、干支の『御嶽』があり、もちろんその他の『御嶽』もたくさんある。

 最近、『御嶽』はパワースポットだよ。という話をよく聞く と、なると結構の数のパワースポットがあることになるが、その場合ありがたみがないと思うのは私だけだろうか。干支(生まれ年)の『御嶽』は一箇所しかないと思うが、『御嶽』自体を住んでる地域で探せば2、3箇所はあるだろう。


 経験的には『御嶽』は穢れを落としたり、無くしたりした物を拾う場所というのが私のイメージだ。

 マブイと呼ばれるものがある。魂の事らしい。

 昔からビックリしたりすると落とすものと言われている。

 大きく驚いたり、事故などにあうと、マブイを落とすらしくその後

 

 オバーが「マブイ拾って来なさい」


と言い、一緒にその落とした場所に行き、「マブヤーマブヤー戻って来なさい」とマブイ汲みをしてくれたものである。もしマブイを拾わなかったら、人格が変わるのだそうだ。

常にボーとしたり、話をしても要領を得なかったり、コミュニケーション不全になってしまうらしい。

 昔はそういうものかと思ったが、後に魂魄は3魂7魄に分かれると本で読んでからは、その数から1つ落としたりということか、得心したことがある。


 私見だが多分それが集まり回収する場所が『御嶽』なのではないのだろうか。

 『御嶽』には水場も多い。それは井戸だったり、湧き水だったり。

 沖縄は島なので水場が大切だったこともあるだろうが、精神的な穢れも洗い流す場所としても機能したのではなかろうかと。なので普段から使えるよう近くにあるのではないだろうか。言い方に語弊があるがそういう装置なのだ。それは今も地域の人々は使用している。そして極論その地域の人々にしか作用しないのだ。

 『御嶽』の話はまた改めてする予定なので、本日はこれで終わり。

 次回からはちゃんとエピソードなのでお付き合いを宜しくお願いします。

 またやー。

 

  

 

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