僕の"師匠"はロリでエルフ

おもち くろ

僕の転生譚

「藤野理央」

それは華森高校に通う、男子生徒の名前だ。

いや、今となっては

"通っていた"と言った方が正しい。


なぜなら僕は…「藤野理央」は…

冬休み最終日、トラックに轢かれ、

齢16歳にして人生の幕を閉じたのだから…。


気がつくと自分が何か柔らかいものに横たわっている事気づいた。

体を起こし、目を開くと今まで見たことが無い

くらい広大で、美しい緑の草原が広がっていた。

見渡す限り草、草、草、…時々地面。

少し上を向けば空、雲、鳥(っぽい奴)…

「はあぁぁあああぁああぁあ!?」

思わずそう叫んでしまった。

無理もないと思う。

①トラックに轢かれる

②気がついたら知らない場所に横たわってる

③一面緑

誰だって混乱する状況、のはずだ。

「い、一旦この状況を整理しよよょよ。」

舌までまわらなくなってきた……。



ガサッ



草原のどこかからそんな音が聞こえたので、

僕は思わず身構えた。

大抵こういう場合は、無力な者にとっては危険な生物がでてくる、

そう判断した体が無意識に生存本能として動いたのかもしれない。


ガサガサッ


その生物は僕の目の前にちょこん、と

姿を現した。

僕の目の前に現れたのは、鋭く短い牙と角を持った目つきの悪い薄茶色のウサギ(のような生物)。

意外と無害そうな姿をしたウサギを見て、

安心した僕は構えを解いた。

が、次の瞬間ーーー


ー僕は謎の力によって地面に突っ伏していたー


ウサギは僕が罠にかかった事を嘲笑うかのように高くジャンプしながら、こちらに近寄って来ている。

それを悟った僕は一瞬、一瞬だけ彼岸を渡ったような感覚に陥り、そのまま気絶してしまった。

なので、気付かなかった…

目の前で起こった一瞬の出来事に。



数分後、、、。



ツンツンツンツンツンツンツンツン………

「大丈夫か?」

そう、かわいらしい心配の声をかけられて…、

いや、頬をとんでもないスピードで何度もつつかれ、僕は目を覚ました。

目を開いた瞬間目に飛び込んで来たのはー


ー指だったー


理央「イテッ」


???「あ、ごめん」


そう謝罪したのは、少したれ目でパッチリとしたペールアクア色の目に、しゃがんでいるからかは分からないが、既に地面についてしまっている

ブロンドの長い髪、白色に近い肌、

そして大きく尖った耳を持つ少女だった。

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