うちの義母は自称お嬢様

きたの雪華

第1話 うちの義母は自称お嬢様 

うちの義母は自称お嬢様である。


まず言っておくことがある。

義母のお嬢様はいわゆる口癖のようなもので、自称である。

あしからず。


自称お嬢様なのでご飯の味付けには妥協がない。


今日はカレーだ。

香辛料の香りが鼻を擽る。

うちの定番はカレールウの中辛に少し辛口を混ぜる。

味は完璧だ。


そうしてあとは見守るだけである。

カレーを・・・・。

見守るという隠し味。


自称お嬢様というものは味付けに妥協してはいけない。


なので、嫁が作ったカレーに勝手に砂糖を入れる。

レンゲで四つほど。


確か先月か、先週か、義父にこっぴどく怒られてたような気もしたが、懲りないのも面白い。

何度言っても懲りはしない。


そしてちょっとのさじ加減がレンゲ四杯。


お嬢様はご飯の味付けに妥協なし!


ただし!!本人は味音痴で料理が下手なので注意が必要である。


ああ、今日も守られたカレーが美味しい。


こうして、義母の自称お嬢様道は幕を・・・開けるわけがないのである。

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