したみ?
オレがみたものは…
宮田くんの後ろ姿だった。
うん、間違いない。あのガニ股歩きは宮田くんだ。
そして、宮田くんを追いかけて…たぶん小林さんであろう後ろ姿。
小林さんは、ガニ股ではないけど…一歩が大きいんだよね。
だから、二人で歩いてると圧がすごいな…
ってか…二人は、やっと付き合いだしたのか?
まぁ、それならよかった。
かと思えば、
「そんじゃ」
とあっさりお店の前で解散していた。
⁉︎
え?
宮田くんは、彼女を送らないのか?
…ま、二人の付き合い方にオレが意見してもウザいだけだろう。
なのでオレはウエハースとともに帰宅した。
そして次の日、朝から後ろの席の宮田くんと小林さんは、お互いハートが飛び交っているくらいのいい感じだった。
「昨日は、楽しかったねー♡」
と小林さんが宮田くんにいうと宮田くんも
「ねー♡」
てな感じでこたえていた。
なのでオレは休み時間こっそり宮田くんに、
「小林さんと付き合いだしたんだね。おめでとう」
とささやいた。
すると、
「ううん。付き合ってないよ」
なんてあっさりいうんですよ⁉︎
えっ⁉︎
なんであんなにいい感じなのに…まだ付き合ってないんだ⁉︎
と、びっくりだった。
雨の日に、傘さしてるのにびっしょりしてしまった、くらいのびっくりだ。
お互い両思いなのに…告白しないのかな…
…
まぁ、そこはオレがいうことじゃないもんね。
でも、なんで二人でスーパーにいたんだろう?
…
休み時間、宮田くんがいきなり
「ねえ、
と、オレたちに向かって話しかけてきた。
だれ?瀬瀬さんって…と、思いながらオレと瀬川さんは、宮田くんの方を振り向いた。
「あのー、瀬瀬さんってだれ?」
とのオレの質問に宮田くんは、
「瀬野くんと、瀬川さんを同時に呼んだんだよ」
なんて得意げな顔をする宮田くん。
…
まとめてお安く‼︎みたいなセットプランじゃないんだからさ…。
「あー…そうなんだ。で、何?」
と宮田くんに聞くと宮田くんは、いきなり
「お二人は、遠足の準備ちゃんとしているかな?」
なんて言い出した。
遠足…
たしか遠足は、まだまだだったような…
さらには、まだ行き先すら確定しておりませんよね?
「あのー、遠足って冬くらいに行くやつ?」
と瀬川さんも首を傾げた。
「そう!それ‼︎準備してます?」
またも聞いてくる宮田くん。
「まだしてないよ。え、宮田くん…もう準備してるの?」
とびっくりする瀬川さん。
「もちろんだよ!ね、小林さん!」
と、宮田くんは小林さんに微笑んだ。
すると小林さんも、
「ねー、昨日なんかお弁当の具材の下見してきたんだよねっ!」
と言い出した。
…
お弁当の下見って…
普通遠足の下見に先生が行くってのは、聞いたことあるけど…さ。
てか、昨日二人がスーパーにいたのってそういうことか…。
暇かっ‼︎
…まぁ、暇なんだろうね。
「あとさ、お菓子の下見もしたよね!」
と楽しそうな小林さん。
「うん‼︎バナナチップスに、にんじんチップスでしょ、あと、ごぼうチップスね!内見もしたよね!」
なんて言い出しましたよ?
内見?
それ、チップスの袋開けてのぞいたの?
ってか、なんでチップス限定?
ノド乾くわー…。
オレ、グミとかくいてーってなるー。
そんなにチップスいらねー…。
飽きるわー…。
「そんな話してたら腹がボコボコすいたわ」
と宮田くん。
「わたしもー。ポコポコしてきたー」
と小林さん。
…ボコボコ、ポコポコって…
…
「ふふ、楽しそうだね。なら、わたしたちも遠足近くなったら、一緒にお菓子買い行かない?」
と、いきなり…まさかの瀬川さんからのデートのお誘い…。
いや、瀬川さんからしたらデートじゃなくて買い出しなんだろうけど…オレにとったらもう…嬉しい限りです。
⁉︎
…待って‼︎
これって浮気⁉︎
婚約者いるのに、瀬川さんと買い出ししたら…浮気になるのっ⁉︎
どうなのっ⁉︎
二人きりじゃまずくない⁉︎
「あぁ、じゃあ今度みんなで行こっか?」
と、とりあえず二人きりを回避することにした。
ほんとは…二人で行きたいです。
でも、オレ…おばあさんと約束しちゃったからな…。
約束を破るのは…ダメだもんね。
まあでも…みんな一緒ならいいよね?と心の中でおばあさんに言い訳をする自分…。
…気まずいっす。
後ろめたいっす。
なんでオレは…お孫さんと一緒になるなんて言ってしまったのだろう…。
まったくオレってばさ…
おひとよしっていうか…なんなんだろう…
…
こんな自分が嫌になりつつある今日この頃なのでありました。
続く。
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