心臓がっ
オレは、いったいどういう立場なのだろう?
おばあさんとルトくんから女子扱いされている?
小林さんは、おばあさんの孫かもしれないけど、違うかもでルトくんがおばあさんの孫で、オレと結婚?するの?
ルトくんは、男の子なんだよね?
でも、七五三の写真は…女の子に見えたけど…。
あの写真は、ルトくんなの?かな…。
でも、小林さんも微妙におばあさんの言ってることが当てはまるんだよなー…。
最初は、まさか瀬川さんが⁉︎なんて喜んで思ったけど、どっちかっていうと小林さんが一番当てはまるのかなー…。
ルトくんは、どうなんだろう…。
そもそもおばあさんは、ルトくんを男の子って言ってたけど…。
…
写真だけじゃわからない…。
だれに聞くのが正解なのだろう…
宮田くん…だけは違うってことだけ確実に、わかる!
はぁー…どうしよう…ルトくんと結婚の約束しちゃったようなもんだよなー…。
ルトくんが嫌なわけじゃないけどさ…、てか‼︎
おばあさんずっと前に、孫は小学生とか言ってたような?
だからおばあさんが言ってたのってやっぱりルトくん?
あー…わからない。記憶も曖昧…
もう教室の真ん中でオレは机に頭を伏せて手をダラーんとして操られない人形状態だった。
どうすれば…
考えれば考えるほどわからない…。
ヒモを解こうとしてどんどん絡まる不思議な現象ほどわからないし絡んでおります。
どなたかヒモを解いてくださらないでしょうかー…と、うなだれていると…
⁉︎
手…
だれかがオレの手をそっと握った。
…まさか、小林さんじゃないよね。
怖くて顔があげられない…
困っていると、
「最近お疲れだよね?」
と瀬川さんの声が聞こえてきた。
⁉︎
えっ⁉︎
この手は…瀬川さんが握ってるの⁉︎
オレの手を瀬川さんが⁉︎
ドキドキドキドキドキドキドキドキ
やばい…心臓がはしゃぎだした。今顔あげたらオレめっちゃ赤面してる。
どうしよう…
‼︎
何もできずにいると今度はオレの頭をサワサワと…
えっ、瀬川さん…
オレそんなに瀬川さんに優しくされたら…もう心臓がっ、心臓がバクバクパクパクパコパコ、バグりますよ…?
それに手も握られたままだし。
瀬川さんって意外とおててが大きいのですね。
やばい…教室の真ん中でオレはもうポッポポッポしています‼︎
このままじゃ、頭から湯気がでて沸騰して特急列車なみに暴走してしまうよ…?
それにさっきからオレの手を優しくニギニギしてるよね⁉︎
「せ、瀬川さんっ‼︎」
バッと、顔を上げた。
するとオレの正面に宮田くんっ⁉︎
…
宮田くんの手を目で辿るとオレの手と繋がっていた。
…
「大丈夫?瀬野くん?」
宮田くんがニヤニヤしていた。
くっ…完全に騙されたーー‼︎
瀬川さんが心配してくれていたのは本当だったけど、オレの手を握って頭サワサワしていたのは、宮田くんだったーー‼︎
通りで手がゴツいと思ったわーー‼︎
「宮田くん…」
「なぁに?♡手ニギニギしてオレのこと好きになっちゃった?♡」
「いや、ならない…」
「あら、残念♡でも、瀬野くんのおててどんどんあったかくなってやけどするかと思ったわ♡このまま明日までニギニギしていましょう?♡」
と提案されたので、当然お断りした。
あー、びっくりしたわ…。
まさか瀬川さんかと思って、もうヤバかったわ…。
まぁ、そんなこと普通に考えたらあるわけないか。
もう心は、熱湯風呂からいきなり水風呂にダイブしたような気分だった。
瀬川さん…
オレ瀬川さんが…好きです。
‼︎
オレ、今心の中でなんて発言したんだよっ⁉︎
あー‼︎オレー‼︎
いかん‼︎オレは、小学生と婚約してる身…
それに…それに瀬川さん好きな人いるって前に言ってたもんな。
オレなんか相手にされるわけ…ないんだ。
訂正します‼︎オレの心のぼやき訂正します‼︎と、ひとりなんだかわからない自分への訂正。
急募。心の修正ペン…
そんなんあるわけないでしょー…。
ないのはわかっております。
はい…わかっているけど修正したい。
でもさ、結局消したところで消えてないんだよね…。
消してもその下には、好きですって文字は残っているんだ…。
無理矢理好きを閉じ込めて蓋を閉めただけと一緒…。
ってかさ、オレって…瀬川さんのこと好きなんだ⁉︎
憧れだと錯覚してたけど、好きって思わず言ってしまったってことは、好き確定じゃん。
叶わない恋…
どうやらオレは、叶わない恋をしてしまったようです。
そんなオレは、授業中ほぼボーっとしていた。
すると後ろから宮田くんがオレをツンツンしたので振り向いた。
みると宮田くんがニヤリと笑った。
で、なんか用があるのかと思ったらなんにもなかった。
ただただ、宮田くんのニヤリを見せられただけだった。
その数分後、また呼ばれたから振り向くと今度は変顔していた宮田くん。
…暇なんですね。
まぁ、オレもまともに授業に集中してないけどさ。
そしてまた数分後、宮田くんが呼んだからオレは全力の変顔で振り向いた。
…そしたら、ちょうど先生がみんなのノートとりの見回りしてて、がっつりオレと目が合ったよね…。
オレは途端に真顔になり咳払いしてしれーっと前を向いた。
宮田くんは、小声で
「ドンマイ!失敗はだれにでもあるさ‼︎」
と爽やかな顔でオレを慰めた。
…
ですね。
続く。
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