第3話産まれたばかりで自立...?

(…母龍らしき姿が一切現れない…それどころか他の生物の姿が無い)


どうやら俺が産まれた時間は日が沈むくらいの時のようで龍に転生した事に驚きながらも興奮し、ステータスを見ながらこれからの生活に想いを馳せて考えていたらいつの間にか日が登り始めていた。


(にしても産まれたばかりの子をここまで放置するだろうか?いやまぁ、ドラゴンの育児方法なんて一切知らないんだけどさ)


幸運?な事に自分が生まれた所は龍の巣の様で、少しの食料があるが故に餓死は免れた。他に巣にある物とすれば自身と、またその兄姉と見れる複数の卵の抜け殻くらいで非常に殺風景に見える。


(何で複数の卵があるのに他の龍の姿が見えないんだろうか…?まさか、捨てられた?)


1夜も子を放置し一切の姿も見せない親龍、生まれた痕跡はあるが兄姉らしき姿は一切無い。


(襲われてないだけ良いが、流石にこのまま此処にいても食料が尽きていずれ餓死する…生まれたばかりで自立だなんて何とも厳しい世界な事で)


そう考えながらも巣の外へと意識を飛ばす。

物音も何もしない、ただ草木が風に揺られてなる音が聞こえるだけ…非常に穏やかでとても危険とは思えない場所に感じられる。


(だがここは異世界、鑑定の情報から魔物の存在は確定してる。だが俺にはまさに異世界ラノベの定番かつ強者への切符的な鑑定と経験値増加がある、何者にも負けない強さと威厳を手にし、前世から思い描いて願った龍へとなってみせる!)


龍であれどまだ幼龍、複数のゴブリンに負けるほどに弱い…その情報を胸に慎重に、動こうとした時急に身体が温かくなりなにか力が溢れる感覚がした。

------------

【称号を獲得しました】

取得称号【幼き放逐者】

称号取得により経験値を獲得しました。

------------

(なにこれ?とりあえずステータス!)

------------

種族:幼龍

名前:未設定

lv:5/5 余分経験値有り

体力:20/25

魔力:21/25

攻撃力:15

防御力:20

魔法抵抗力:10


スキル

鑑定 言語翻訳 取得経験値量増加 ブレス(微)


称号

異世界の魂 幼き放逐者

------------

何故にレベルが上がってるんだ?それに幼き放逐者?


何が起こってるんだ?こう言う時は鑑定するしかないな…なんかlvの横に余分経験値ってのがあるし、とりあえず称号の幼き放逐者とlvを鑑定!


【幼き放逐者】

生まれてから一切他の生物の干渉を受けず、尚且つ生き残る事で獲得できる。

どの様な生物でも生まれてから干渉は受けるはずなのでこの称号を得たものは見捨てられた者と考えられる。


【lv】5/5

生物の強さを表す指標となる数値

⚪︎/⚪︎は現在lv/最大lvである。

最大lvに到達する事により進化することが出来る。

進化する事により、最大lvは上昇する。

経験値の取得によりlvが上がる。経験値の取得は多義に渡るが代表的なのは戦闘行動・戦闘に勝利・魔物の捕食・称号の取得などがある。

また余分経験値は進化した後のレベルアップに使われる。余分経験値保有量に上限は無い。


(なるほど、確かに俺は生まれてから干渉を受けてない…最初に見た白龍はこちらをチラッと見たけどそれだけだしな。幼き放逐者の取得条件は満たしてるな…)


(それにレベルが上がった理由も分かった。称号取得だろうな…おそらく称号での取得が代表に上がるんだから経験値取得量は多そうだし、スキルの取得量増加も関係してそうだ)


とりあえず進化と言うのだから強くなるのだろう。

進化するにはどうすれば良いか分からないがとりあえず進化と念じてみる。

------------

進化先を選んでください

【ベビーレッサードラゴン】

幼龍の正統進化

まさにベビーだしレッサーなドラゴン。

まだまだ力が無く、親の手が無ければ生存は厳しい。


【幼龍『変異種』】

称号 異世界の魂に影響を受けた進化

力は幼龍とは少ししか変わらないが進化先が多義に渡る。

また変異種故に様々なスキルが獲得しやすくなる。


【堕ちた幼龍】

称号 幼き放逐者に影響を受けた進化

幼き頃に捨てられ、精神を病んでしまった個体。

世界を憎み、憎しみを糧に力を付ける思考になっている。

*注意:パッシブで状態異常【精神異常】が付与されます。

------------

(ふぅむ、正統進化も気になるが変異種と言うのも気になる…それに様々なスキルとか進化先が多いってのはかなり魅力的な気がする)


自分は龍になりたいと思ってはいたが、それは圧倒的な強さと威厳に憧れていたから。


ならばスキルがある以上スキルが大事なのはわかりきっている。ならば変異種を選ぶべきでしょう!


一応進化がどう起こるのかは分からないがあいにくとここは龍の巣、安全っぽいし食料の備蓄も少しある。

ここなら問題ないと思う。


(故に進化!【幼龍『変異種』】!)



…え?堕ちた幼龍?やだよ、精神異常は起こしたくないし、もし暴れてしまうと絶対討伐対象になるじゃん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る