「接吻」

いつものように

命の水を積み終えると

自動販売機で缶コーヒーを買い

わたし専用の

宇宙船へと乗り込む

変わり映えのない毎日

ただ

世界は混沌としている

己さえよければいい人間たちのために

わたしは今日も

己がいきるために

命の水を運ぶ

せっせせっせと

星から星へと

飛びまわる

遠く離れた惑星で

宇宙船から外へおりると

どこからか

天使と悪魔の話し声がした

突き抜けるような

雲ひとつない青空に

わたしはうっとりする

ふいに

わたしの頬へ

ちいさなモンシロチョウが

そっと口づけていった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る