「明滅」

わたしはたしかに

呼吸していた

実体をともなって

風を肌で感じていた

しかしながら

きみの瞳に

映っていなかったわたしは

はたして

呼吸していたと

風を感じていたと

いえるのだろうか

真夜中の交差点

その草陰に

真黒な一匹の猫

点滅する信号の灯りに

そいつは闇のなかで

見えたり

見えなくなったり

また

みえたり

また

みえなくなったり

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