学園で一番の爆乳美少女を助けたら、×××な恩返しをされるようになった件
譲羽唯月
第1話 私に恩返しをさせてください!
「や、やめてください……」
「だからさ、そんな変な事しないって」
休日。
目的地は、アニメショップである。
そんな中、裏路地を通り、早道しようとしたことで、あまり目にはしたくない光景を目のあたりにすることになっていたのだ。
それを目に、響輝は咄嗟に、壁に姿を隠した。
「わ、私は嫌なので、それにこれから用事があって……」
その子は、男性から腕を捕まえられながらも抵抗していた。
「だから、そんな変なことはしないって、さっきから言ってるだろ。というかさ。付き合っている人はいないみたいだし。いいじゃんか。今日は休日だろ」
「でも、私は……」
その子は必至に抵抗していたが、物理的にどうこう出来るわけでもなく、ただ言葉で対抗しているだけになっていた。
「用事って何? 本当にあるの?」
「あ、あります」
「そんな嘘みたいなこと。それより、俺、行きたいところがあるんだよね。そこに行かね?」
その二〇代くらいのチャラい感じの男性が、その女の子に対し、絡むことをやめるわけでもなく、一方的に話しを続けていた。
こ、これ……どうすれば……。
響輝は今、裏路地の壁に背をつけ、その二人の視界には入らないような場所に佇んでいた。
そう言えば、さっきの子って……星野さん?
チラッとしか見なかったが、多分、あの子は同じクラスメイトの
優花里は高校二年生でありながらも爆乳であり、普段から異性に話しかけられることが多い美少女なのだ。
私服の上からでもわかるほどの膨らみを今、響輝は脳内再生して胸を高鳴らせていた。
こ、ここは絶対にやらないと……。
響輝は壁に背を付けたまま深呼吸をする。
ここを乗り越えなければ、という使命感に襲われていたからだ。
優花里の事は以前から興味があった子であり、少しでも会話をしてみたいという願望を昔から抱き、日々学校生活を送っていた。
もし、ここで助けたら……。
不埒な事が脳裏をよぎるが、欲望まみれでも、仮に付き合えなかったとしても、困っている子がいたら助けてあげたいという一心で立ち向かおうと決意を固めるのだった。
「そ、それ……そ、その子から!」
響輝は壁から背を放し、その二人の視界に入るところまで移動する。
隠れる場所なんてどこにもなく、ここからは運試しであり、度胸試しのような状況だった。
「……は? 誰、お前」
その男性は睨んでくる。
が、爆乳美少女の彼女は目を点にしていた。
「そ、その子は……お、俺の彼女だから」
「……何言ってんの? お前」
場の空気感がよどんでくる。
それどころか逆に――
「調子乗ってると、どうなるかわかっている?」
さらに睨まれ、その男性が響輝の方へと近づいてきた。
表面上はそこまで怯えてはいなかったものの、内心はかなりビビッていた。
下手に行動できないのに、余計なことをしてしまったと今になって後悔してしまう。が、ここで引き下がってはいけないと思い、響輝は私服の左袖をめくった。
「な、なんだ」
響輝の左腕には白色の包帯が巻かれている。
「俺のここには竜人の力が眠ってるんだ。余計なことをするなら、お前に明日はないかもな」
響輝はアニメキャラのような口調で格好よく話すが、見た目がパッとしないが為に、傍から見たら、ただの陰キャでかつ、変人の戯言にしかなっていなかった。
その場の空気感が硬直し、響輝は気まずさを乗り越えるために苦笑いを見せる。
「きもッ、なんだ、こいつ」
その男性から極限状態まで引かれた。
「……もういいや、変な奴と関わるとか、マジで怠いし」
そう言って、チャラい男性は呆れた感じにため息をはいて、どこかへ立ち去って行ったのだ。
「私にお礼をさせてください」
「え?」
気づいた頃には、目の前に黒髪ロングヘアな爆乳美少女がいる。
近くで見ると、物凄くデカい。
どれくらいのバスト数なのかもわからないのだ。
そんな彼女は、上目遣いで、まじまじと響輝の事を見つめていた。
急な展開に、響輝は視線をキョロキョロさせる。
さっきの恥ずかしい発言を振り返って死にたくなってきた。
「え、え……えっと、でも、俺は。そんな大したことはしてないし」
響輝は頑なに拒否しようとするが、実は望んでいた事。だがしかし、素直な態度を見せることができずにいた。
恥ずかしいような嬉しいような、複雑な心境だった。
「でも、このままだとあまりよくないので」
「お、俺でもいいのか?」
「はい、そうです。そもそも、さっき助けてくれたじゃないですか!」
「そ、そうだな……そうかもな」
アニメキャラのセリフを言い、結果として助けることができていた。
変な言い訳をつけて断るくらいなら、これをチャンスに変え、彼女の言う恩返しを受けようと思った。
内心では、ニヤニヤしていた。
爆乳少女の彼女と一緒に休日過ごせることに、テンションが高まりつつもあったのだ。
「では、私のおススメの場所があるので、そこに行きませんか。えっと、お名前は?」
「……」
え?
目の前にいる彼女は首を傾げていた。
「あの、俺、君と同じ学校で、その……クラスメイトなんだけど」
「……え? そ、そうなんですか、すいません。失礼な発言を」
優花里は驚いて、目を丸くしていた。
彼女は頭を下げていたのだ。
「申し訳ないです……」
「い、いいよ。しょうがないというか、なんて言えばいいのかな……」
響輝も対応に困る。
逆に悲しくなった。
「で、でもさ、俺の存在を今、知ってくれたのならいいんだけど」
響輝は普段から学校で、一人で行動することが多く、友人が大して多い方でもないのだ。
存在感が薄いと言われてもしょうがないと思った。
「さっきの件も含めて、今回は私の奢りにしますので」
優花里は頭を下げてばかり。
響輝は彼女の対応に戸惑いながらも、その場で生じる心の苦しみを乗り越えようと必死になるのだった。
「どれでもいいので、自由に選んでもいいですからね」
店内のテーブルを挟み、目の前の席に座っている彼女から言われた。
今、響輝は、優花里からおススメされた店屋にやってきていたのだ。
そこはアニマル系の喫茶店。
響輝からしたら普段入るような場所ではなく、あまり、その空間には馴染めていなかったのだ。
周りを見渡すと、動物のデフォルメイラストが描かれたポスターが壁に貼られており、女子受けがよさそうな感じの内装だった。
「私、定期的にここに来るの。白石さんって、動物は好き?」
「まあ、一応は……ネコとかだったら」
動物に関してはそこまで得意な方じゃない。
どちらかと言えば、苦手な方だった。
小学生の頃、犬に嚙まれそうになったトラウマがあるからだ。
「私は好きなんだけどね。ネコが好きなら、帰りに触って帰っていく? この店の奥に、犬やネコと戯れられる場所があるんだけど」
優花里は淡々と楽し気に話す。
が、響輝からしたら、テーブルの上に乗っかっている爆乳にばかり視線がいく。
「え……う、うん」
おっぱいに目線がいきがちだが、彼女に好かれるためにも、状況に合わせた方がいいと思い、響輝は薄っすらと頷くことにしたのだ。
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