第36話 俺らのチーム名
「とりあえず安達さん、その大通連、見せてよ」
安達は鍵付きの大きな戸棚からソレを取りだした。
俺が持っている小通連よりやや長めだ。
安達がソレをスっと引き抜くと、光る刀身が顕になった。
刃の横幅も、小通連よりやや大きめに見える。
「すごいね、昴。
大嶽丸の顕明連は別として、結構早めに全て揃いそうじゃん」
「んー……」
俺は優先順位を考える。
まずは三種の神器の残り二つを手に入れなくては。
1つはこの家を安達自身に探してもらうしかないし、もう1つは玉藻の前のところに行って譲ってもらえるように頼み込むしかない。
まぁ絶対一筋縄ではいかないことは目に見えてるけどな…。
また松竹ちゃんを連れてけば、とりあえずは殺されなくて済むかな?
「あっ!そーだっ!僕さ!考えてたんだけど!
せっかくだからちゃんとチーム名とか考えようよ!」
「………。」
やべえ、まためんどくせーこと言い出した和巳の奴……
「……そうね。」
えぇっ?!なんで安達さんまで?!
「いや……そんなのなんだっていいじゃん別に。」
「なんだってよくないよ!チームの士気を高めるためにも、これからメンバーをもっと集めるためにもさぁ!」
「えぇ……マジ?」
本当になんでもいいんだけど、そんなん。
考えてる時間がむしろ無駄すぎる。
「安達さん、なにか案ある?
あっ!ていうかもう仲間だし、下の名前で呼び合うのどう?
そういえば焼肉屋の店長さんに駒っちゃんて呼ばれてたから僕もそう呼びたいな!フクくんにも駒様とか呼ばれてるし〜」
うわっ……出たよ、また和巳の人たらし発動!
よくそんな気恥しいこと平気で口にできるよなこいつ!
「別に……いいよ」
いいんかいっ、安達さん!
「よしっ!こういうのって親睦深めるためにすっごく重要だよね!
駒っちゃんも僕らのことは下の名前で呼んで!
昴もちゃんとそう呼ぶんだよ?わかった?」
「あ……うん……」
「じゃあ駒っちゃん、昴、何か案はある?」
「ねぇよ……」
「チーム名ね……たとえば……食べ物の名前…とか…」
はぁ?!食べ物の名前?!
どっから連想してそーなるんだよ!
つか…………やっべ!
よく考えたらこいつら……ペットにフクとかシロとかつけるくらいだからネーミングセンス壊滅的な奴らだったんだわ!
2人に任せてたらきっととんでもなくダサい名前になる!
んんんん……考えろ俺!
「食べ物かぁ…そうだなぁ、じゃあ3人に共通した好物なんかいいかも!
駒っちゃんの好きな食べ物は何?」
「私は……ハラミ……」
「あぁ、肉の?確かに昨日たくさん食べてたもんね!
イイネ!僕も好きだよハラミ!まぁ僕の場合、1番好きな肉は豚バラだけど!昴は何の肉が好き?」
えっ?!なんで肉縛り?!
もう肉の名前で決定なのか……?!
「……まぁ俺は……肉ならラム肉一択だけど……」
「そっかぁ、うーん……完全にバラけたなぁ……」
「いやいや何こんなことで真剣に悩んでんだよ!
名前なんて決めなくていいし、肉にするなんて絶対反対だぞダセェ!」
「えー……じゃあチームSUBARUにする?」
「いや……それもちょっと……」
「
「じゃあチームGINGA?」
「いやなんでお前、全部そのまんまなんだ」
「じゃあ英語にしてみる?銀河は……ギャラクシーか……
あっ、そういえば僕あの映画好きなんだ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー!」
「まぁそれは俺も好きだけど」
「私も…あれは好き」
「ガーディアンズって守護者って意味だよね。
じゃあ僕らはガーディアンズ・オブ・ジャパンかぁ!」
俺はため息を吐いた。
多分もっと変なのが出る前にここらでストップさせといたほうがいい。
「………もういいよ…それで……」
「リーダーがそう言うなら決まりだね!
略してGOJかぁ……なかなかかっこいいね。」
「……それならGOJUになるように、ガーディアンズ・オブ・ジャパン・ユニット……のほうがいいんじゃない……」
「おーっ!さっすが駒っちゃん!
ごじゅう……五十ね!わーっ!すっごいかっこい〜っ!」
かっこいい……?
どこがだよ……50って……
「あっ!」
まだあんのかよ?!
「五十って、古典では "いそ" って読むから、五十師で
"いそし"……なんてのはどうかな?」
「いそし……五十師……まぁそれなら悪くないかもな…」
今までで一番マシかも……。
鬼斬師に陰陽師……
いろんな師を総称してカッコつけた名前みたいな。
そう思って、もう俺はコレに決定した。
俺らは今日から五十師だ。
「ってことは昴!仲間50人集めなきゃね!」
そしてこの日を境に、
祓魔師や忍者や騎士など、様々な師が仲間入りすることとなる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます