みさきのいない世界。
空の子供たち
第1話 主人公は死ぬ
僕の名前は、
突然だが僕の青春は終わった。
高校入学してから大好きだったあの子、みさきちゃん。
みさきちゃんに彼氏ができてしまったのだ。
僕はみさきちゃんがのことがずっと好きだった。
一言も会話したことはないけどいつか何かの拍子にロマンスが始まるんじゃないかって、そう思っていた。
人生とはなんだろう?
自分が好きになった女の子と手をつないで、一緒に笑って、映画館にいったり、レストランで食事したり、ショッピングモールで買い物したりすることじゃないのか?
僕は始めて、みさきちゃんを失ったことによって人生の意味を考えた。
いままで考えたこともなかった。
僕の脳はずっと停止していたんだ。
人は本当に大事なものがなにかを失って始めて気づく。
僕の青春は終わった。
みさきちゃんと手をつなぐことのできない世界にもう生きる価値はない。
その日、ひとしきり僕の悲しみを洗いながすような激しい雨だった。
自分の中にいままでにない深い絶望を感じながら、体に強い雨粒をうけながら、暗くなった道路沿いを不安定に歩いていた。
そして、次の瞬間。
グゥィイイイイイイイイン、ダン!
視界が回転する、ぐるぐると永遠にも思えるほどゆっくりと。
そしてやがて無慈悲にも僕は大地にたたきつけられる。
あ、あ、あ、黒くなって、苦くなって、もうどうにもならなくなった僕は、停止する。
みさきちゃん。。。僕は君のことが大好きでした。
さようなら。
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