第3話

今回俺が仕えに行く家【晴海家】

日本で1位2位を争う大企業ハルミカンパニーという会社の経営を行っている家だ



会長の「晴海 修造」はたった一代で日本の大企業までこの会社を育て上げた所謂「できる男」

しかし昨年以前より患っていた胃がんによりこの世を去った


その後を追うように修造の妻「多江」も数ヶ月後に亡くなっている



今は息子の「晴海 浩一」が会社を継いで経営を行っているらしい

この男も父親に似たエリートマン。

性格も穏やかで誰にでも分け隔てなく関わることから一般社員にもファンが多いと噂がある。

20年前に“一人目の”妻と結婚しその妻との間に娘が一人いるそうで

その娘や妻に愛情を惜しみなく注ぐ姿が何度かテレビに取り上げられていたのを俺も見たことがある

しかし10年前妻が病気で他界し今は前妻の親友だったという“二人目の”妻

「晴海 裕子」と再婚しさらに今年6歳になる男の子「樹(いつき)」を設けたそう




そして「晴海 飛鳥」今年16歳になる晴海家の長女で前妻との間にできた娘だ

肌は白く透き通っており目は大きなアーモンドアイ唇は薄めでどこか儚さを感じさせる美しさに勉強も常に学年トップを維持しており性格も父親譲りの穏やかな性格で誰からも愛される「才色兼備」この言葉がまるで彼女のためにあるように

ぴったりと当てはまる人物だ

その性格のおかげなのか「浩一」が再婚しても継母である「裕子」とその間にできた異母兄弟の「樹」とはうまくやっているようだ




ここまで聞くと比較的平和な仕えやすそうな家だと普通の人なら思うだろう




しかしこの家の闇はきっと沼のようにドロドロと一度足を踏み入れたら二度と戻れないほどには深いものなのだ



何故かって?

それはこれから嫌というほどわかると思うよ



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