第4話私と子猫達の里親探し
子猫達はスクスクと育ちます。動き出すようになりました。私も目が離せません。
「もうそろそろ子猫の里親探しをしよう」
青年が言いました。里親と言うのはどういうものでしょうか。私にはわかりません。そうして月日が経って、見知らない人間が私の子猫を見に来ることが多くなりました。
「そろそろ子供達の貰い手が決まるぞ」
老猫がそう言いました。私はこの家の人間を信頼していましたし、いつかは私から離れていく事は覚悟していました。しかしその日がやって来たのです。見知らぬ人間が子猫達を連れ出して行きます。私は鳴くしかありませんでした。
「あら、可愛い親猫さん」
そう言って人間は一匹、また一匹と連れて行き、子猫達は居なくなりました。しかし別段私は不幸を感じなかったのです。私はこの家に引き取られることになりました。
「よし、お前の名前はフクだ」
青年は私を家に案内してくれました。
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