第2話栄光の挽歌

先ずは、何故精神障がい者になったのかを書かなくてはなるまい。

何度も書いてきているので、知っている方は読み飛ばして頂いても良い。

僕は、23歳の時に貿易事務をしていた。

輸出輸入の自動車、機械、野菜などの証明書を作成する会社である。

1番大変だが、その課に配属されれば出世は間違いないとされる課に配属された。

20何年も前の職場だ。

パワハラ、モラハラ、散々浴びてきた。

直ぐに人に馴染めない性格からイジメられた。

だけど、ここで会社を辞めたら負ける事になると思い、日々頑張ってみた。

先輩は1ヶ月前の失敗を延々と説教するし、ビアガーデンでお腹をさすっていたら、汚いと殴られた。

27歳で初めて監督になった。

会社は面倒くさく、英会話が必要な航路の船の仕事はすべて僕にやらせた。

もちろん、朝から翌朝まで。交代は無い。

しかも、僕のチームには他の課で使えないと投げ出された人間ばかり集められた。

だが、僕はその人達の力を見極めて事務処理ばかりしていればいい仕事なのに、現場に出て作業員の仕事を手伝っていた。

その頃は、羽弦再生工場、48時間男、猛獣遣いと呼ばれて、眼の前に主任が待っていた。

しかし、長年の不規則な生活と、イジメで精神を病み、統合失調症へ転落し、精神障がい者となった。

29歳の時であった。


その頃の嫁さんは、まだ、僕の病気が治ると信じていたので、仲良く暮していた。

会社を退職した日は、いつもの店で飲んでから帰宅した。

嫁さんは花束を僕に渡した。

僕は、絶対に家族を守らなくてはいけない!と、思っていたが統合失調症は悪化。32歳の時に自殺未遂を起こした。

あれから12年、嫁さんは良く我慢したと思う。

離婚になる原因が、職場のイジメだと思うと何も言えないくらい悔しい。

誰だって、あんな環境なら精神を病む。毎年、5人精神を病んで辞めていく会社だった。

裁判も考えたが、証人が後1人足りなくて諦めた。

これから、と思う矢先にあの言葉。

ずっと下痢をしている。ストレスを感じると直ぐに胃腸にくる。

後、3ヶ月後には主任で給料も高くなると言うのに、この始末。

給料は、女事務員にピンハネされているのを知ったのは辞める直前。

自分も悪いが、会社は酷いブラックな所だった。

これが、精神障がい者に至る経緯である。


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