AIへの解像度
以前、様々な小説投稿サイトに大量アクセスによる攻撃がされていたと記憶しています。それを、最近、生成AI周りの騒ぎが小説界隈に及んだという話から思い出しました。
それを受けて、すぐに触れる予定はなかった「AI」についての認識を共有したいなと思います。
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【要約】
・AIと「俗に」呼ばれるものには、学習していないものも含まれます
・生成AIは、(自分の中では)「ルールによる制限を持たない、学習を行ったプログラム(AI)のうち、学習元とアウトプットが同じ(権利的に競合する)もの」と分類しています。
・ただし、創作という広い範疇でも二次創作にあたる可能性も考慮する必要があると考えます。
・学習元とアウトプットが同じ(または二次創作と認められる出力の)場合、特に元の権利を持つ人が合意したルールを守った上で利用する状態が望ましいと考えます。(ゲームのAIも、ルールのもとで判断しています)
【補注】(追記:5/13)
・生成AIの技術そのものは「正しく」使えば役に立つと思いますが、使う人により風評被害がもたらされていると感じており、現状、自分も否定的に捉えています。
・小説という括りで受けるであろうデメリットについても書いております。今一度、「AIがどう作られるか」などを調べるきっかけになれば幸いです。
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①立場
立ち絵などのイラストを依頼する立場として、創作活動にもルールや関連する法律もあるので、気にしなければならないと考えています。
「どこで使って良いか」「使ってはだめか」というのは、まず法律がある以上、「権利者が特に宣言していなければ」その中で判断する必要があり、勝手に判断することが出来ません。ここにはおおよそ、著作権というものが関わります。
②著作権と「利用」の話
そして、基本的には、「自分が作ったものではないもので、『加工や投稿、場所を変えての投稿など』が権利者から許可されていない場合、他の場所に投稿することも出来ない」はずです。専門家では無いため、細かい定義までは触れませんが、基本的にはこの理解で問題無く過ごせることが多いはずです。
なので、イラストを依頼する立場である自分は、「どこどこで使います、今のところグッズなどにはしません」など依頼する時に約束した上で、それに応じた製作代・利用料金を支払っています。この範囲のやり方で自分に著作権が渡ることは、普通はありませんし、それ以上の範囲での利用は新たに許可を取って利用料を支払う必要があります。
③生成AIの困るところ
便利なところは語り尽くされていると思うので、デメリットを書きます。一番困るであろう影響が、今まさに起きているような「自分が創作をしている分野で、自分の作品が利用された上で、似てしまっても『AIを使って自分で書きました』と言われること(またその可能性が浮上している現在も含め)です。
そして、それにより、商業作家や同人作家で言えば「本来得られるはずだった正当な売上を得る機会」を奪われることになります。あるいは、書籍化志望の作者が、他者にその機会を奪われるという可能性もゼロとは言い切れません。
これは、先に大きな影響を受けていたイラスト界隈では問題視されていたことで、そちらでも、影響が出るまでは「影響そのもの」を考えることは、なかったであろうと思います。これが、小説書きにまで影響が回ってきた、というのが今回の経緯であったというように考えています。
また、個人的なことを言うのであれば、依頼した方から預かっている(利用許可なので)ものが勝手に使われないよう、適切な保護を考えなければいけないという手間が増えてしまい、非常に困っていました。
④「学習」しているとはいうものの
これは自分の認識ですが、AIのうち「学習をするもの」については、その方法は様々なものがあります。
この中で生成AIは「無断転載されたサイト」であったり、「インターネット中のあらゆるサイトに手当たり次第にアクセスして」、その内容をコピーして学習しているのではないか、というふうに考えています。
⑤AIの解像度
一方で、これらの影響を観察し続けて思ったことがあります。「割と何でもコンピューターが良い感じにしてくれる」ものが「AI」と呼ばれているのではないか、という点です。
生成AIに関しては、一番下に書きました。現状、自分の中では、「ルールを持たない、学習を行ったプログラム(AI)のうち、学習元とアウトプットが同じ(権利的に競合する)もの」と分類しています。
よって、生成AIについては、生成AIについての様々なルール(学習について、生成・出力について、利用・公開について)を決めなければならないと考えています。
以下、参考までにどうぞ。
【自分の中でのAIの解像度】
(説明の正確性は自信ないですが……)
--プログラム--
・単なるアルゴリズム[決まったルールで処理を行うもの](自動加工系とうたうものの一部)
--AIの基礎技術--
・自然言語処理(文章から関連度の高い要素を出す)
・人工無能(チャットボットなど、質問などの文章から検索に必要な言葉を要約する)
・センサーで随時温度を調節するエアコン
--学習を行ったもの(AI):アウトプットの異なるもの--
・利用したアプリ、居た場所などから、再度使う可能性のあるものを再提示する(レコメンド[おすすめ]系)
・購入履歴(商品ジャンルなどの単語)からオススメ商品を提示する(レコメンド系)
・表のデータから閲覧に適したグラフを提案する(レコメンド系)
・流れている音楽から類似する曲名を答える(レコメンド系)
--学習を行ったもの(AI):アウトプットの近いもの--
・勝率の高い手を選ぶ将棋など、ボードゲームが代表的なゲームの判定系(ルールによる制限のあるAI)
・いわゆる生成AI系(線画状態・塗りの傾向、文章の構成を分解し再構成・復元する)(ルールによる制限を持たないAI)
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