退廃都市の記録係

制作資料

1 国家と組織

　ストーリーを読む上で「読まなくても一切問題の無い内容」ですが、どういう国なのか？何処が何セクターか気になる方向け。読むタイミングによっては若干のネタバレですが、それほど困りません。これらの話は現地主人公である学生のアキもそこまで覚えていません。

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　この国は五十個のセクターに分かれている。各セクターがある程度の自治権を持ち、独自の組織が運営しているため連邦制に近い。セクターが地方政府として機能し、中央政府(監察局)と協力しながら国全体の運営に当たる。セクターは自律的な経済活動や技術開発を行い、中央政府がその上に存在して監視する構造。

　この国のセクターは現代における「州」のような役割を果たしている。それぞれのセクターは独自の技術や文化、管理組織を持ち、独立した行政単位として機能している。セクターごとに管理する団体が異なっており、それに応じて特有の技術や住民の生活様式が展開されている。

　国家の法率とは別にセクターごとの法律が存在する。セクターごとに軍隊を持ち(保有しないセクターも存在する)、税制もセクターごとに異なる。

　セクター制は現在の政府が樹立した際に成立したもの。監察局が各セクターを監視し、必要に応じて法の遵守を強制する仕組みになっているが、各セクター自体はある程度の自治権を持っている。そのためセクターは「州」のように大きな地域単位でありながら企業や組織がその地域を統治している点で独自の特徴を持っている。

　例えばフェノムシステムズ(アキや環の勤め先)のあるセクターを呼ぶ際、現代の「○○州」のような感覚で国民達は「フェノム・セクター」と呼称する。番号で呼んだ場合でも分かる人は分かるが、数が多いため一般国民相手には名前で呼んだ方が会話上スムーズ。

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　世界には異星人との戦争以前から不可解な現象や地域が存在した。

　人々はその力を生活に活用していたが、星間戦争が始まってからそれらの数は格段に増えて行った。以前はそれらの現象や地域をコントロール、保有する組織団体が混沌としていたが現在の政府の手でセクターと分類が整理された。

　各セクターは以下のように分類される。

　1-10: 空間や物理に関する技術

　11-20: 精神・意識に関する技術

　21-30: 生物・身体に関する技術

　31-40: エネルギー・物質に関する技術

　41-50: 情報・データに関する技術

　生活上これらの「暗記」が必須ではないため学生や受験生、役人以外で完璧に覚えている人間はほぼいないと言っていい。学生・受験期間が終わると大半の国民は自分が直接関わっている地域以外の知識を忘れてしまう。アキも暫く学校に通っていないため、自分の故郷と今の地域の事しか分からない。環は親友から一般常識として一通り習ったが、国民が自分より知識が無いのを知り「絶対に一般常識ではない」と思った。

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・現在までに名前付きで登場したセクター(随時追加)

フェノム・システムズ

技術番号: 1

技術カテゴリー: 物質浄化・相転移技術

説明: 物質の浄化や相転移に関わる技術を持ち、表向きはリサイクル事業を行っているが、実際は敵兵器による汚染物の回収や研究を行っている。環とアキの職場が有る場所。代表はフレデリーク・マリ

ジェノエッジ・バイオサイエンス

技術番号: 21

技術カテゴリー: 遺伝子操作技術

説明: 遺伝子操作や生体改造に関する技術を持つバイオテクノロジー企業。主に生物学的なアプローチで異常死や異形化現象に対する解決策を模索している。環と親友が勤めていた職場もジェノエッジ・セクターに存在した

マインド・サンクタム

技術番号: 13

技術カテゴリー: 精神安定・感情制御技術

説明: 人々の精神を安定させるための技術を有しており、心を閉ざしたり、異常をきたした人間の精神的回復を図る。精神的影響を与える技術が特徴。通称「祈院」。アキの故郷