第13話 決心
「私…この世界から抜け出します。」
そう言ったあと、2人して黙ってこっちを見た
「お、お前…マジで言ってるのか…??」
ガンダが困惑した顔をして言う
「はい。本当です」
「お前、なにを考えているんだ!?そんなこと出来るわけないだろ!!悪いことは言わない!!絶対にやめておけ!!」
荒げた声でガンダは私にこう言った
「ミロワさん。流石に僕からも言わせてもらうが、本当にやめておいた方が良い。なんせ脱出した人なんて聞いたことないし、この本が信用できるかと言われたら、そんな簡単に信用できるものではない。何より危険すぎる。ガンダの言うとおりにしたほうが良い。」
ミディもガンダと同意見らしい。でも私はもう決めた。こんな最悪な世界から抜け出すって
「それでも私は行きます。この気持ちに揺るぎはありません。」
「…だからって、そう簡単にいけるものではない。合理的判断に欠けているよ。自分の理想に対して強い信念を抱いて行動するのは良いことだが、流石に危険が伴いすぎる」
「それでも行きます!!この世界から抜け出して、1つの思考に囚われない世界に行きたいです!!」
「その考えは身勝手すぎる!!第一、1人で行って脱出することなんて不可能に近い。そもそも食料などはどうする?怪我したときはどうする?そんな何もわからないまま行ったって無駄死にするだけだ!!」
「…ッ!!」
何も言い返せない。彼の行っていることは合理性もあって、何より正しい。それでも…
「でも!!」
「そんな理想ばかりじゃなにも出来ない!!キミは死にたくないからここまで来たのだろう!?なのn..」
「もう良いだろ。ミディ」
驚くことに、止めに入ったのはガンダだった
「ミロワ。お前の言いたいことはわかったよ。行きたいんだろ?それなら行ってこれば良い。」
意外にも先に折れたのはガンダの方だった
「ガンダ。でもここで彼女が1人で脱出しようが助けがなければ出られるわけがない。」
「それでも良いだろ。そもそも俺が手助けしてやる」
「なっ…」
「えっ…」
驚きで開いた口が広がらない。ガンダが手助け…?
「そもそも死にたくないからここに来たのに、死んではここに来た意味もなくなってしまうだろう」
「連れてきたのはそもそも俺だ。それに俺はそんな簡単に死なないよ」
「でも、!」
「良いじゃねぇか。毎日退屈だっただろ。久々にこれぐらいの刺激があっても。ミロワ自体もまだまだ若い。若いうちに経験したほうが良いこともあるよ。俺らみたいな腐ったおっさんみたいにならないようにね」
「ガンダさん…」
「…それって僕も手助けする前提で話してるよね?」
「勿論」
「ハァ…」
ため息をつくとミディはソファにもたれかけた
「わかったよ…行けば良いんだろ…」
「えっ、」
まさかの2人ともついてきてくれることになった。本当に良いのか…迷惑をかけないか…と思っているとミディがこう発言した
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