Expansion story
意識が……戻ってきた…………。
暗い寝室。時計の針が動く音だけが響く。
「…ウッ、ん〜」
今日も目が覚めてしまった。まだ夜中の2時を回ったところだ。静かな寝息が聞こえる。視線を右に写すと優次はスヤスヤと目を閉じたまま寝ていた。
「フッ」
相変わらずガキみてぇにかわいい奴だな。ゆっくりと優次が起きないように身体をベットから横に離れる。足が床につく。
「冷たっ!」
カーペットを敷いているのにこの床の冷たさ。そっか、昨日は初雪だったか。もう冬の到来か。暗闇の中、リビングへ向かう。身体が覚えているのか方向感覚は見失わない。冷蔵庫を開けて明るい棚の中にあるリンゴジュースの缶を取り出す。そのまま立ち飲み、缶とペットボトル専用のゴミ箱に捨てる。
『カランカラン』
ヤベッ、起こしちまったか?立ったまま寝室へ目を向ける。だがゆっくり繰り返したままの寝息だけが薄ら聞こえる。どうやら優次は起きていないようだ。
「ふぅー。寝るか。」
安心したのも束の間。刹那、声が聞こえた。
『渚』
「っ!!」
優次の声じゃない!その声は聴き慣れた華奢な響きを備えていた。瞬間、背中から汗が滲む。アタシは悟った。
奴がまた現れたのだと。
マズいマズいマズいマズい!!また呑まれてたまるかよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます