第10話

「・・・夏」


「何・・・話す気になった?」


「返せ」


「はぁ??だからぁー!ゲームなんてしてないで話をしなさいよ」

怒りで爆発しそうだったが、抑えられた。これくらいでキレたら、とっくの前に終わっている。俺はゲームを諦めて、読者に切り替える。


「ちょ、何、今度本を出して」


夏がゲームを返さないからだよ。


「夏」


「何??さっきから態度悪くない?」

何様だよ。あの無視から・・・俺は返せって言っただけだろう。


・・・はぁ、マジで関わらないでほしい。


「ついに・・・人の物を盗むようになったか、人として終わったなぁ。あとで教師に報告するから」


さて、続きと


「ちょ、何を言ってるのよ!!アンタが話をしないから、ねぇみんなもそうよね」


「そうよ!!」「そうだ!!」

クラスメイトが夏に賛同する。


「ほら、みんなもそう言ってる」


「じゃあ、最後にもう一回、返せ、俺がやっていた時にゲームを奪うな」


「だから、奪ったんじゃなくて話をして貰おうと」


そうやって、自分は悪く無いと言い訳し続けるなら、ガチで一生ダメだな。


「はぁー」

席を移動することにした。


「ちょ、どこに行くの」


「ボッチゾーン」

俺はゲーム渡したまま一人で移動した。

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