第3話


「おかえり、お兄ちゃん」


実妹が半年振りに、俺に話しかけて来る。


「お兄ちゃん?」


春と同じ表情だ。まるで昨日(半年前)と様子が違うね、と言いたい表情だ。


「どうしたの兄貴?」


こっちも同様だ。


「・・・おーい、お兄ちゃん??どうしたんだ??無視するな」


嫌味のように、言って来る。いや・・・嫌だろう。これ・・・


「そうだぞ。無視はいけないんだぞ。」

 義妹もそれに乗っかる。


「お兄ちゃん、聞いたよ。クラスメイト全員に向かって怒ったんだって」


情報回るの早すぎだろう。・・・あの同時にみんなの無視が始まった時もそうだけど・・・連携取れ過ぎだろう。無駄に・・・


「兄貴、拗ねるっなって」 


俺は二人をかなり大切に思っていたと思うんだけど・・・


流石に、家族にすることじゃないよな。半年無視とか・・・


「・・・俺はお前らの兄は辞めた。」


「はぁ?」


「何を言って?」


俺は自分の部屋に向かう。


「どこの世界に、遊びで無視られ続ける兄がいるかよ。俺は兄失格だ。そして兄は辞めた」


「ちょ、待ってよ」


「兄貴だから、そんなに怒るなって!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る