高校で挫折した男

狼男

第1話 

 僕は頭がよくない。国語がさっぱりできない。周りが笑っていても何が面白いのかわからない。感情がわからない。

高校の3年間はみじめだった。そんな話をしていこうと思う。

 4月のときに、弁当を一人で食べていると、他の友達が一緒に食べようと誘ってくれた。

 他にも、ボッチ予備軍の人たちがいた。

でも、自分はプライドがあったからか、陽キャに馴染めなかったのか、友達を作ることのないまま、一ヶ月が過ぎ去ってしまった。

 中学の時は、ぼちぼち話しかけてくれる人がいたから、楽しかった。

 クラスメイトとは全く話さない。異性とも話さない。一緒にいる人はいるが、お互いにボッチになりたくないから、都合上一緒にいるだけで居心地は悪い。早くこんな環境から抜け出したい。勉強をして成績を上げることも考えた。成績が良くてもそれを共有できる人がいなくて虚しかった。芸術で書道選択をしていたが、話す人もいなかった。

体育でチームを作るときは、必ず余っていた。そして、憐れみの視線がどうしようもなかった。

コミュニケーションを取るのが苦手なのか、毎日つらい思いをしていた。それを共有できる相手もいなかった。そのうちにうつに落ちていった。途中から精神病院に通う日々になった。クラスメイトのリーダー格から精神的な言動で日に日に追い詰められていく。逃げても相手が待ちかまえている。

友達がいない陰キャ。これが僕の高校生活だ。ボッチでいいと開き直れなかった。

自己主張が苦手で、トイレ掃除を押し付けられたこともある。保健室に通うようになってからは少し楽になった。気休め程度にしかならない。勉強に集中できるようにはなっていない。学力はどんどん下がっていくのを実感した。卓球部の人間に相談しても被害妄想で片付けられた。

卓球部も楽しくなくなって退部することになる。

高校の勉強は途中でついていけなくなった。課題に追われる日々でこなすのに精いっぱいだった。

成績が上がらないのは辛かった。なんにも希望が持てない。絶望の毎日。音楽を聞いて過ごしているだけ。同窓会があっても絶対行かなくていいからね。そう保健室の先生が慰めてくれた。スクールカーストの犠牲者であるとおれは、自分でも思う。陽キャと上位層が権力を持って、楽しく学校生活を送れる。底辺層にはそれを楽しむ権利すらない。

異性にバカにされながら、ひっそりと過ごす。

帰宅部になっても何も楽しくない。家と学校を往復するばかりだ。大学受験3ヶ月前に体調を崩し、薬を増やされる事態となった。

クラスの人たちが楽しむ中、自分はその輪に入れない。

負け犬なおれは、中学校時代の友達や、卓球部の理解ある人たちと話すことにした。その人たちといるときは楽しかった。高校は単に教室に閉じ込められている。何も楽しくない。不満だけがたまっていく。どうやって解消すればよいかわからない。

リーダー格にいじめられても、担任は助けれてくれない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る