俳句「転」

蝸牛 性を転じて 恋矢射り


かたつむり せいをてんじて こいや (れんし)いり


【解説】


カタツムリやナメクジは、雌雄同体で、生殖器の内部で恋矢(れんし)という石灰質、もしくはキチン質の槍状構造物を生成します。

交尾の際に、相手に突きさす鋭い針は、相手を傷つけ寿命を縮めるものの、受精の確率が上がり、より多くの子孫を残すことが出来るとも言われています。


男らしい、女らしいという言葉が廃れつつある昨今。

男性性・・・力強さ・たくましさ・冒険心・粘り強さ・論理的思考・決断力・行動力・持続力・推進力・発言力・大胆さ・計画性・合理性・客観性など

女性性・・・慈愛・献身・理解・感情・直感・美・母性・順応性・共感・傾聴・情緒・癒しなど

肉体の性別に沿った言い回しで誤解を招きがちですが、どちらも1人の人間の中に存在する性質です。


私達はお互いの男性性と女性性を交互に入れ替えながら、傷つき傷ついて癒し癒されて生きているのではないかと思います。

拙作「かたつむり」の中にも恋矢の話が出てきます。(ちょっと宣伝)

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