第143話 面食い

「聞いて。貴志ったら友達に私と付き合ってる訳を『俺、面食いだから』って言ったんだよ」

「はあ? なに、それ。自慢?」

「なんで自慢なのよ。性格は良くないみたいじゃない?」

「でも、顔はすごくいいってことでしょう?」

「あのねえ、付き合ってそれなりに経つ相手に容姿を褒められたって、なんとも思わないよ」

「……そう。で、終わり? 他に用は?」

「ないよ。あ、ごめん、忙しかった? じゃあねー」

 そして私は電話を切った。

「だれ? こんな深夜に」

「一応、友達。話した内容が、よっぽど嬉しかったみたい」

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