第101話 人は数字で生きている

「山瀬さん。お元気なさそうですけど、どうかされたんですか?」

「いえ、先日お墓を購入したんですけどね」

「ええ」

「それによって、貯金が二千万円を下回ってしまいまして」

「老後、それ以上いるっていいますものね」

 その翌日。

「山瀬さん。嬉しそうですけど、どうかされたんですか?」

「いえ、さっきタンスの奥にあった封筒を見つけたんですけどね」

「ええ」

「中に五百円が入っていて、それで貯金が二千万円を上回ったんです」

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