第79話 ワンモアチャンス

「どういうことだ?」

 ある日気がつくと、私は高校時代にタイムスリップしていた。

 本来の私は五十歳で、高校の同窓会の後深酒して、目覚めるとそうなったのだ。

 深酒をしたのは、当時好きだったサエちゃんと、両思いだったと判明したためだ。

 私はずっと独身だが、それは彼女に未練がという部分も少なからずあった。

 しかし彼女は幸せな家庭を築いており、今から付き合うわけにもいかなかったのである。

 そうか。これはきっと私を哀れに思った神様か何かの仕業だ。

 よーし、それなら、今度こそ勇気を出して告白して、恋を成就させるぞ!

「サエちゅわわわ~ん!」

 何だよ、あいつ、両思いなんて嘘じゃねーか! しかも、うおー、戻り方がわからねー!

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