第73話 映画

 私は彼氏と映画を観にいった。

「ひどい映画だったな。ごめん」

「いいよ、全然」

 その映画はSFとホラーが混ざったようなハチャメチャな内容だった。

「あんな宇宙人いないよな」

「それに、宇宙人は自分のことを『私は宇宙人だ』なんて言わないよね」

「いや、それは言うんじゃないかな」

「え? どうして?」

「どうしても何も……」

 事実は小説よりも奇なりという言葉があるが、本当のようだ。こーわー。

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