第37話 懸念払拭
「先生。僕、卒業したら大学へは進まず、働きたいと思います」
「え? そうかい……」
「父と同じくビジネスマンになりたいと、目標はもう決まっていますので」
教師の崎本はしかし、すんなり賛成はできなかった。
今の若者は会社をすぐ辞めたりするし、大学は行っておくべきではと心配したのだ。
「ちなみに、ビジネスとは具体的に何をやるつもりなんだね?」
「それはまだ決まっていません。ただ……」
「ただ?」
「手広くやるつもりです。父のように、とにかく手広くね」
「こいつは頼もしいや!」
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