第25話 不向き

 私は公立の図書館で司書をしている。

 以前、職場体験で来た女のコ二人と、再会する機会があった。

「私、司書はやっぱりやめようかなって」

「あら、そう。どうして?」

「しおりの役目のひもをゆるい状態にする作業があるじゃないですか」

「うん」

「あれをずっとやると思うと、気が滅入って」

「それは不向きねえ」

「私も、図書館は月曜休みで、日曜日に働くのは気が滅入るんです」

「それもまた、不向きねえ」

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