第17話 往生際

「覚悟しろ!」

 勇者である僕は、ラスボスの魔王ブラックを追い詰めた。

「待て」

 さすがは魔王。こんな瀬戸際でも、微塵の動揺も見られない。

「何だ?」

「今までのは全部、冗談だったのだ」

「はあ? 何を言ってる、散々人々を苦しめておいて」

「嘘ではない。貴様らと仲良くしたくてやったことなのだ」

「意味がわからないんだよ」

「つまり、ツンデレということさ」

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