第14話 特徴

 私の父は、「真面目」で「こわもて」で「運動音痴」で「スポーツに興味がない」。

 なのに、日曜の昼間によくテレビでゴルフを観ている。それも必ず女子のほうを。

 私はその近くから汚らわしいという感じの視線を向けてみることにした。

 それに気づいた父が、少ししてから口を開いた。

「見なさい。キャップではなくサンバイザーをかぶっている選手がいるね?」

「うん」

「頭のてっぺんが暑くないか、心配でたまらんのだ」

「……へー」

 父はずっと表情を変えなかった。

 私は父の特徴に、「動じない」と「言い訳はド下手」というワードを追加することにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る