カ-スト最下層民きっちゃんのサクセスストーリー
tamaちゃん
第1話 輝きた~い🙄
小学3年生の私はま~ったく取り柄の無い女の子。
学年でのスク-ルカ-ストは最底辺。それでも……家ではお姫様として君臨しているのかと思いきや……兄2人妹1人の4人兄弟の3番目なのだが、本来ならば父、母、長男、次男、私と来るところだが、一番下の妹がぐんぐん勢力を伸ばして、姉の私がもう直ぐカ-スト最下層民になりそうな勢いで妹が勢力を拡大している。
※カ-スト:社会的な階級や身分を指す。
「全く困った妹だ。ゴマすりめ😡」
要領がよく咄嗟に誰につけば得するかを判断できる特殊能力がある。バカなクセして……どういう訳か人をうまく転がし……人たらしとゴマすりに徹している。全く厄介な妹。
それに比べて私ときたら、初めて誕生した女の子だったので、蝶よ花よとおだてられ育ったせいなのか、ぼ~っとした私にはそんな姑息な真似は到底出来ないし、思いつきもしない🙄第一ゴマする意味って何?
こんな私を横目にちゃっかり人に取り入る妹。
我が家なんかどう見てもバカ家族の巣窟だが、妹はどういう訳か、ドジで間抜けな私の失敗現場をちゃっかり見逃すことなくチェックして(あんな風にだけは絶対なりたくない!)バカなクセしてそういう直感能力に長けた妹だった。
こうして…私は家でも学校でも最底辺カーストに追いやられていた。
★☆
「♪バカバカきっちゃん♬バカきっちゃん🎶こっちまでおいで。あっかんべ~だ😜」
これはいつものクラスの光景。これでは到底同等の扱いとは言えない。完全に見下されている。でも……もう慣れっこ。な~んて事は無い。
(だが、私は考えた。これでは永久的にバカ呼ばわり。これを克服するには学校中いやいや家族中に私が実は…天才である事を証明すれば、私は頂点に君臨する事ができる)
大それたことを考えたものだ。
★☆
「バカ呼ばわり」からの脱却を狙い練りに練った作戦を考え出してから、既に半年が経過していた。その間に席替えが何度か繰り返された。
こうして…私の作戦が実行された。
一体それはどの様なものだったのか?
ある日の午後廊下に学力テストの結果が張り出された。
いつも0点ばかりだった私が、ナナナナな~んと学年トップになった。
「エエエエエエェエエエエエッ!あのバカきっちゃんが、い い い い 1番って凄すぎエエエエエエェエエエエエッ!どういう事?」
「きっちゃんスス凄~い!」
「きっちゃん天才!」
「エッヘン!みんなやっと私の実力分かってくれたんだね!テッヘッヘッヘ😁」
★✰
早速、家でも異変が起きていた。
「母ちゃんどうしたのさ?赤飯なんか炊いて~?」
「ホッホッホッホ!実はねぇ。嬉しい事にきっちゃんが学年トップになったんだよ。それも1教科だけじゃなくて、国語、算数、理化、社会、全教科で100点取ったんだよ。もうきっちゃんをバカとは言わせないよ。馬鹿どもが———ッ!きっちゃんを見習いな!」
次の日の事だ。親戚の家に遊びに行っていた妹由実が帰って来た。
「由実アイスクリ-ムコンビニから買ってきな!エッヘン😩」
「何よ~?偉そうに……イヤだね!」
なんと…母に告げ口をする妹由実。
「母ちゃん……バカ姉貴が私に命令する。許せな~い!」
”ペッシ――ン”
その時母が、妹由実のほほを思い切り叩いて言った。
「ナナナナなんて事言うんだい。お前等と違ってきっちゃんはなぁ100点が取れる我が家きっての天才様だ。我が家の唯一の誇りエリ-トきっちゃんをバカとは言わせないよ!お前のような下の中とは脳ミソが……脳ミソが違う。分かったか!嗚呼……私は本当に幸せ者だ。それにしても……学年トップとは何という心地良い響き。これで私もエリ-トママたちの仲間入りが出来るわい。ワ~ッハッハッハ~!今までは小っちゃくなっていたが、これからはブルジョアの仲間入り。コラ—💢バカども!きっちゃんの爪の垢でも煎じて飲んでおきな😩」
この変わりよう……今までは散々きっちゃんをバカ呼ばわりしていたくせに……
まぁ親とは身勝手な生き物だ。
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