延長線上の物語

@henntaida

第1話 え?《死んだ振り》なの?

⚠️これはとあるYouTuberの作った物語の延長線上のものである。


 弾丸と血の飛び交う戦場から自己紹介を失礼する。俺は風見 達也(かざみ たつや)23才。現状絶対絶対状態、誰でもいいから助けてちょうだいYEAH⭐︎

きっとこれが人生で最初で最後のラップになるんだろうな。

 そんな事を考えながらスコープを覗いて敵をガン待ちしていると、無線機に連絡が入ってきた


 「…とう…せよ……こちらゴーr…応答せよ。これより10分後に急遽戦術核攻撃機による爆撃が行われる。敵戦地に居る隊は直ちに退避しろ。…繰り返す。応答せよ…」

俺はこの無線を途中で切り、そのまま地面に膝から崩れ落ちた。そんな俺に1人の隊員が肩を掴んで、俺の体を揺さぶりながら叫んだ。


 亮磨「隊長!早く逃げますよ隊長!」

彼は光哉 亮磨(みつや りょうま)、俺が率いる第8小隊の隊員の1人で行動が早く、敵拠点に予定の3時間前に突撃しちゃうお茶目ちゃんだ。


 加宮「もうこの3人しか残ってません!仲間の分も生き残るんでしょう!」

この最高に仲間想いのヤツは涼木 加宮(すずき かみや)、仲間に弾薬を渡しすぎて自分は1マガジンしか持たずに突撃しちゃうお茶目ちゃんだ。


 ほぼ残ってない物資を持って撤退しようとする2人を見ながら、俺が同じ場所に座り続けてた。理由は簡単だ。核兵器は爆心地から半径7km以内では高確率で死に至る。一般人が7kmを走ろうとすれば40〜50分はかかる。さっきの無線から10分後に攻撃が始まるなら最前線で戦っている部隊は確実に全滅する。最前線に部隊を大量に送り込んで敵をできるだけ平地に留め、核兵器によって敵戦力を大幅に削るのが作戦本部の目的だったんだろう。自軍の犠牲者が出ることも含めてだ。

 達也「……2人とも……人生最後の10分だ。どうせ死ぬならクソ共を1人でも多く散らしてから俺らも散ろうぜ」

 亮磨「何言ってるんですか隊長!こんなとこで死んだら満足に成仏もできませんよ!」

 加宮「車はもうないですけど全力で走れば間に合いまs」

加宮が話終わる前に俺は叫んだ

 達也「諦めろ!!途中で車を手に入れたとしても間に合わない!この作戦は俺らの犠牲を前提に進んでやがったんだよ!!」

 加宮「そんな……嘘だ……。」

亮磨と加宮も膝から崩れ落ち、下を見たまま沈黙していた。絶望してる状況ではみな膝から崩れ落ちるもんなのかね?


 最後の10分というのは意外に早いものだった。敵が篭ってた拠点に入って来ているが、俺たち3人はそんなのお構いなしに窓から重機関銃を連射していた。

 加宮「おい亮磨!もう弾丸はねぇのか!」

 亮磨「これで終わりだ。人生最後のお楽しみも俺らもな!」

急に笑いながら重機関銃で撃ち始めた3人には、敵も相当恐怖しただろう。


 銃を地面に置き、3人で座り込んで随分と綺麗な光を見た。

最後の光景にしちゃ悪くない。敵の1人が部屋に突入し、そして爆音と共に俺ら3人と一緒に光に包まれていった。







 さて、随分と導入が長くなってしまったな。俺の名は風見 達也23才。人生で2回目のラップがどうやらできなくもないらしい。目を開けるとそこには知らぬ王様。説明が1つくらいあるもんじゃないのか神様、王様や急に話始めんなちょいタンマYEAH⭐︎

 そんな事を考えながら王様の話をしっかりと聞く俺、優しすぎる。亮磨と加宮も何故か一緒に異世界転移しちゃったらしいし、いい感じの別れをしたのに速攻で再開したことに驚けばいいのか、結構恥ずかしいセリフ吐いてたことに恥ずかしいがればいいのかよく分からん。ま、無事ならいいか。


 王様「お主らが転生して来た勇者様なら、きっと強力なスキルがあるはずじゃ。右上辺りにあるステータスボタンを押して確認しておくれ。」

いや、建物はthe・中世の城って感じなのに目の前に急に画面が現れるとか、どんなご都合展開だよこの世界。ほぼゲームじゃねーか。

 亮磨「《剣人の加護》?なんかめっちゃ強そうな名前してるな…」

なんだよそれ。勝ち組確定じゃねーか。

 加宮「《魔道の極み》だってよ。これでヒーラーも余裕そうだな」

お前は仲間想い過ぎるだろ。もっとエクスプロージョン撃ってみたいとか言えよ。


 さて、2人共最強格であろうスキルという事は隊長の俺にもさぞかしチートなスキルが得られてることなんだろうな。

 期待を胸に、俺もステータスボタンを押して自分のスキルを確認した


 《死んだ振り》 Lv.1


 いや、なんかの間違いだろう。おそらくステータスボタン以外のなんかを押したんだろう。多分そうだ、いやそうであってくれ!

 そう思い、俺は決死の覚悟でもう一度ステータスボタンを押す。


 《死んだ振り》 Lv.1


 達也「おわったぁ……もうダメだぁ……」

俺はまた膝から崩れ落ちた。

 加宮「ま…まぁ、落ち着いてくださいよ隊長。どうしたんですか?」

 達也「お前らはいいよなぁ。《剣神の加護》とかすげぇスキル貰ってよ!」

   「お前もだよ!《魔道の極み》とかいうスキル。もうなんだろ、心がくすぐられるんだよそんなワードはよ」

 亮磨「隊長は一体なんのスキルだったんですか?」

 達也「俺は…《死んだ振り》だよ!なんだよコレほんとにスキルなのかよ!?どこで使えばいいんだよこんなのぉ…」

達也が絶望にくれていると、少し遠くから怒鳴る声が聞こえた

 達也「アイツって、最後に俺らの部屋に突入してきた敵兵だよな?」

 加宮「なんだか知りませんが、僕たちと同じ言語を話してますよ」

 敵兵「《しゃもじ取り出す能力》ってなんなのよ!?コレ投げて戦っていうの!?」

そう言って敵兵は謎の空間からしゃもじを大量に取り出してた。

 達也「うわぁ…俺より酷そうな奴が居てなんか安心したわ」

 亮磨「まだおたまの方が強そう…」


 さて、この物語はチートスキルを持つ2人とゴミスキルを持つ2人が世界を救う物語である

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