第47話 大虐殺だ!

 惑星S-768は緑あふれる惑星ホシで。


 種子植物が生い茂ってる、地球に似た惑星ホシ


 ここまで環境が揃っていたら脊椎動物というか。

 獣がいてもよさそうに思えるんだけど。


 いるのはやっぱり蟲なんだ。

 良くは見ていないけど。


 デカいダイオウグソクムシみたいな生き物が、向こうの方を走っていく姿があった気がした。


「バーサーカーアントってどこにいるわけ?」


 森を歩きながら相棒に問う。


「結構そこら中に居るわ」


 だから見つけるのは難しくは無いはずよ。

 だって。


 そっすか。


 一緒に歩いていると

 言う通りすぐ見つかった。




 直径2メートルくらいの穴が地面に開いてて。


 そこを体長1メートルくらいの真っ赤な蟻みたいな生き物が出入りしてる。

 あれがそうなのか。


 で、どうすんの?

 俺も自分で考えたけど、あそこから女王蟻を生け捕りにする方法、思いつかなかったんだけど。


 自分でアイディアを出せないのが情けないけど、ここは相棒に頼るしかない。

 相棒の行動に注目する。


 するとだ。


 相棒は持って来た装備の……ビーム銃レイガンを取り出してきて。


 全く躊躇わずに飛び出して


 自分に気づいて近づいてくるバーサーカーアントたちの頭部に照準を合わせて……次々と射殺した。

 うお。


 ビームで頭部を貫かれ、ビクビク痙攣してる大きな赤い蟻たち。


「とりあえず巣に突っ込んで、入り口でバーサーカーアントの働き蟻をぶっ殺してまくって」


 なんというか……

 ニコリともしない顔……真顔って言っていいんだろうか。

 そんな顔で。


 相棒はそう言うんだ。


 分かったよ。

 相棒が言うんなら多分間違いは無いんだよな。

 この分野は。




 阿比須龍拳奥義・脳髄粉砕!


 俺がバーサーカーアントの頭部を奥義の拳でぶっ叩き、蟻の脳を破壊して


 阿比須龍拳奥義・異世界転生蹴いせかいてんせいしゅう!!


 別の蟻の頭部を奥義の蹴りで蹴り飛ばし、首を破壊し絶命させる。


 ……言われた通り、巣穴の入り口に突っ込んで、バーサーカーアントの働き蟻を片っ端から殺しまくった。


 正直、非常に気分が悪い。

 蟲とはいえ、こうも無差別に殺しまくるのは気分が良いわけじゃない。


 ガキじゃねえんだから。


 でも、相棒がそうしろというなら、そうするしかないわな。

 俺はこの分野、まともな知恵が無いからな。


 すると


「OK。もういいわ。上がって来て」


 穴の上の方から相棒の声。

 待ち望んだ声だった。


 俺は急いでバーサーカーアントの掘った穴の急な坂を駆け上がり。

 外に出た。


「ご苦労様です」


 そう言いながら相棒は、黄色のバレーボール大の何かを手に持っていて。

 俺が出てくると同時に、彼女はそれのピンを抜いて、穴の中に投げ込んだ。


 ……流石に聞かずにはいられなかった。


「……あれは?」


 すると相棒


「有毒ガス弾。死にはしないけど、吸い込んだら相当ダメージがあるはずよ」


 ええ……?


 あまりにも……動物虐待というかなんというか……


「それじゃあ、ちょっと待ってみましょうか」


 俺がドン引きしつつあるのを他所に。

 相棒が俺にそう言って。


 少し離れた位置に下がる。

 俺もそれに続くんだけど……


 一体、何が起きるというんだ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る